江戸時代後期の日本を代表する
経世家、農政家、思想家で、
多くの方には、マキを背負って本を読む
二宮金次郎像がおなじみの、二宮尊徳翁。

彼の有名な言葉に、

・・・・ 引用 ・・・・
遠きをはかる者は富み
近くをはかる者は貧す。

それ遠きをはかる者は
百年のために杉苗を植う。
まして春まきて秋実る物においてをや。

故に富有なり。

近くをはかる物は
春植えて秋実る物をも
尚遠しとして植えず

唯眼前の利に迷うて
まかずして取り植えずして
刈り取る事のみ眼につく。

故に貧窮す。

・・・・ ここまで ・・・

というものがあります。

また、人が輝く年輪経営実践で
日本を代表する伊那食品 塚越会長
も、「遠きをはかる経営」
大切にされています。

私も、時間的に、空間的に、
どれだけ目を配り、心を配れるか?
自分の責任として引き受けられるか?
が経営者やリーダーの器だと思っています。

まず時間軸から考えると、

今日の時間軸で考えた場合、
一か月先まで考えた場合、
1年先、10年先、100年先と
考えた場合では、考え方も望ましい方針
も変わってくるはずです。

環境問題などは、1日スパンだけで考えた
場合、まったく最適解ではないが、
10年、100年考えた時には、無視
できない重要なテーマです。

この長期の視点と、今日・明日の経営を
成り立たせる短期の視点の両方をもち
最適解を導くのがリーダーです。

空間的に考えてみます。

空間的に、一番小さいのは、
自分のことさえ良ければいいという考えです。

もう少し広げていくと、
家族、会社の同僚、取引先様、お客様
と拡がっていきます。

更に広げれば、取引先の取引先、
お客様の先のお客様となります。

更に広げていくと、
会ったことない、間接的にもビジネスに
繋がるか分からない人たちがいる。

しかし、どこかで繋がっているのです。

新入社員の頃は、まず自分のこと、
今日一日が精いっぱい。

少し成長すると、1年間を見通して仕事
したり、同僚やお客様のことが
考えられるようになる。

リーダーになれば、
向こう3年くらいを見据え、隣の部署の
こと、会社全体のこと、直接取引のない
範囲まである程度考えられるようになる。

経営者は、10年後、20年後、
サプライチェーン全体のことや、
地域や日本・世界のことも考えます。

そして、時間的・空間的に、長く広く
見渡しながら、眼の前のことと
両立させていくことで、多くの人を、
将来の人をも、幸せにしていくのです。

これが人としても、ビジネスマンとして
も成長するということだと思います。

出世する云々は外形的なことで、
本質ではなく、より長く・より広く
遠きをはかる人生経営・会社経営を
役柄として果たしていこうとすること
が、大切ではないでしょうか?