ほめっぱなしの罪~“ただほめればいい”ではないという話~

チームSKM 水村です。

今回はほめ達なら留意しないといけない、
「ほめっぱなしの罪」をご紹介します。

 

「ほめることが大事」

 

これは、今や多くの場所で言われるようになりました。

 

子育てでも、教育でも、職場でも、
「叱るより、ほめましょう」
「相手の良いところを見つけましょう」
という考え方は広く浸透してきています。

 

もちろん、私は「ほめる」ことには大きな価値があると思っています。
実際、ほめることで人の可能性が開花する場面をたくさん見てきました。

 

しかし一方で、最近感じることがあります。
それは、“ほめっぱなし”にも罪があるということです。

 

どういうことか。

 

例えば、明らかに危険な行動をしている人がいたとします。
新人社員が、確認不足のまま重要なメールを送ろうとしている。
子どもが交通ルールを守らず道路に飛び出そうとしている。
チームメンバーが、周囲を傷つける発言を繰り返している。

 

そんな時に、
「そのままでいいよ!」
「あなたらしくて素敵!」
「自由でいいね!」
だけで終わってしまったらどうでしょうか。

 

それは本当に“相手のため”になっているのでしょうか。

ほめることを履き違えると、
「嫌われたくないから注意しない」という状態になることがあります。

 

つまり、“優しさ”ではなく、“逃げ”になってしまうのです。

 

ほめ達の世界ではこれを、「ほめっぱなしの罪」と呼んでいます。

本当に相手を大切に思うなら、必要な場面では伝えるべきことがあります。
もちろん、頭ごなしに否定する必要はありません。
人格を傷つけるような言い方や、感情的なダメ出しは避けるべきです。

 

でも、
「ここは改善したほうがいい」
「この行動は危険だよ」
「このままだと周囲が困るかもしれない」
ということを伝える勇気も、相手への関わりの一つです。

 

例えば、以前こんな話を聞いたことがあります。

ある職場で、部下をとにかくほめる上司がいました。
「いいね!」
「素晴らしい!」
「大丈夫、大丈夫!」

 

いつも明るく、否定をしない。
最初は部下たちも「優しい上司だ」と感じていました。

 

しかし、ある時から問題が起き始めます。
ミスが改善されない。
同じ失敗が繰り返される。
注意されないので、自分の課題に気づけない。

 

結果として、その部下は大きなトラブルを起こしてしまいました。

その時、本人が言ったそうです。
「もっと早く言ってほしかったです」

これは、とても考えさせられる言葉だと思います。

 

人は、“否定されたくない”気持ちを持っています。
だから、注意をする側も勇気がいります。
でも、本当に相手の成長を願うなら、
“耳の痛いこと”を伝える必要がある場面もあります。

 

ただし、ここで大切なのは、「否定」と
「指摘」は違うということです。

例えば、

「なんでこんなこともできないんだ!」

これは人格否定に近い。

 

一方で、
「ここを改善すると、もっと伝わりやすくなると思うよ」
これは“成長へのフィードバック”です。

 

同じ内容でも、相手の価値を認めているかどうかで、
伝わり方は大きく変わります。

 

ほめ達の考え方でも、「ほめる」は単なる甘やかしではありません。
相手の価値を見つけること。
そして、可能性を信じること。

 

だからこそ、「もっと良くなれる」と思うから伝える、
という関わり方もあるのです。

 

私は時々、「ポジティブな人でいたい」と思うあまり、
違和感にフタをしてしまう人を見かけます。

 

本当は困っている。
本当は危険だと思っている。
でも、“いい人”でいるために何も言えない。

 

しかし、それによって相手が傷ついたり、
大きな失敗をしたりしてしまったらどうでしょうか。

 

それは、本当の意味で優しいとは言えないかもしれません。

 

もちろん、伝え方は大事です。
人前で恥をかかせる必要はありません。
感情的になる必要もありません。

 

相手を責めるのではなく、
“未来を良くするため”に伝える。

 

その姿勢が大切なのだと思います。
私は、「ほめる」とは“相手を放置すること”ではないと思っています。
相手の価値を認めながら、必要な時には向き合うこと。
嫌われるリスクがあっても、相手の未来のために伝えること。
そこまで含めて、本当の意味での「関わり」なのではないでしょうか。

 

「ほめる」と「甘やかす」は違う。
そして、「厳しさ」と「否定」も違う。
そのバランスは簡単ではありません。

 

だからこそ、“ただほめればいい”ではなく、
「この人のためになる関わり方は何だろう?」と
考え続けることが大切なのだと思います。

 

私は、ほめ達の学びを通して、
“相手の価値を信じながら向き合うこと”こそ、
本当の「ほめる」に近いのではないかと感じています。


*********
イキイキ働きたいカッコイイ大人のベースキャンプさんよし会」
https://s-kando.com/service/sannyoshikai