「ほめる」が逆効果になることもある?

チームSKM 水村です。

みなさんは、人をほめたときに、相手が少し困ったような表情をした経験はありませんか。

例えば、「資料作りがすごく早くて助かるよ」と言ったのに、
相手からは

「いやいや、そんなことありません。」

「私なんてまだまだです。」

「恥ずかしいです。」

そんな反応が返ってきたことがある方も多いのではないでしょうか。



一般的には、「ほめることは良いこと」と言われます。

もちろん、その考え方に私も賛成です。

しかし、実際に多くの方と接していると、あることに気づきました。

それは、ほめ方によっては、相手が素直に受け取れないこともあるということです。

特に、自分にあまり自信がない方や、おとなしい性格の方、
普段あまり人前で評価されることに慣れていない方は、
大きな賞賛を受けると戸惑ってしまうことがあります。

「そんなに評価されるようなことはしていません。」

「期待され過ぎるとプレッシャーです。」

「みんなの前では恥ずかしいです。」

そう感じる方も少なくありません。


もちろん、こちらは相手を元気づけたい、勇気づけたいという思いで伝えています。

でも、相手の心が追いついていなければ、
その賞賛は素直に受け取れず、かえって緊張や負担になってしまうことがあります。



ほめ達(一般社団法人 日本ほめる達人協会)では、「ほめる」ことをとても大切にしています。

その一方で、もう一つ大切な教えがあります。

「ほめるを相手のコントロールに使ってはいけない」

ということです。



ほめる目的は、相手を自分の思いどおりに動かすことではありません。

相手を尊重し、相手の価値を伝えることです。

だからこそ、相手が恥ずかしそうにしているのに、
「もっとほめれば自信がつくだろう」と考えて賞賛を重ねることが、
いつも最適とは限らないのではないかと私は感じています。

もちろん、大きな賞賛が力になる方もいます。

そのような方には、思い切り称賛を伝えることが励みになるでしょう。

でも、相手によっては、もっと自然に受け取れる「ほめ方」があります。

それが、賞賛以外の「ほめる」です。

「ほめる」は「すごい、さすが」などの賞賛だけとは限らないのです。


例えば、共感です。

「それは大変でしたね。」

「その気持ち、よく分かります。」

相手は、「評価された」とは感じません。

でも、「分かってもらえた」という安心感を得ることができます。



感謝もそうです。

「ありがとうございます。」

「助かりました。」

これも立派な「ほめる」です。

相手の存在や行動の価値を認めているからです。



さらに、ねぎらいもあります。

「お疲れ様でした。」

「頑張りましたね。」

努力や時間に目を向ける言葉は、多くの方が自然に受け取りやすいものです。



私は、このような小さな「ほめる」を日常の中で何度も積み重ねることを意識しています。

大きく賞賛するのではなく、小さな共感。

小さな感謝。

小さなねぎらい。

そうした言葉をこまめに届けるのです。


すると、不思議なことに、こちらは「ほめる」を実践しているのですが、
相手は「ほめられた」と身構えません。

だから、抵抗なく受け取ることができます。

そして、相手の中で少しずつ安心感が育ち、自信も育ち、
自然と前向きな気持ちになっていくのです。



ほめることに正解は一つではありません。

大切なのは、「どうほめるか」よりも、「相手がどう受け取るか」を考えることです。

相手が笑顔になれるほめ方は何だろう。

安心して受け取れる言葉は何だろう。

そんな視点を持つことができれば、「ほめる」はもっと相手に寄り添ったものになります。



賞賛は、とても素晴らしいほめ方です。

でも、それだけが「ほめる」ではありません。

共感、感謝、ねぎらい、承認。

その一つひとつもまた、人の価値を見つけて伝える、温かな「ほめる」です。

相手に合わせて、その人が一番心地よく受け取れる形を選ぶ。

それこそが、ほめ達の目指す「価値の発見」の実践なのではないでしょうか。


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