人財像は何をもとに明確化する?

前号、前々号では、

ある中小企業様との話の中で、
人事部・人事制度の構築がさらなる成長に
必要だよねという話をしていたこと、

人事部というのは部署名のことでなく、
「人の幸せと成長実現を通して、企業成長に貢献する
人事部」機能があることが大事ということ、

人事部となると、評価制度つくったりしたくなる
けれど、人財像が基盤になるということ、

などをお伝えしてきました。


人財像を皆でしっかり議論して明確にし、
共有していきましょうということを書きました。


では、人財像はどうやって決めていけばいいの?

という話になりますね。



何となく・・・
では、当然ないです。



企業(法人)=社会の公器として
なんらかの役割をもったものとして考えた時、

社会が我が社に何を求めているのか?
という視点が不可欠です。


つまり、環境認識があって、
それを踏まえた我が社の使命感・志ですね。

社長個人の思いでなく、法人・公器として
何が求められているのか?と考えると、
単なる夢・目標から一段高い視座に立てます。


そして創業の精神や皆が大切にしていること
という内面から湧き出てくる念いも大切です。

これらがマッチングしたものが、
理念や、ミッションやビジョンといった
ものになるのだと思います。


弊社は、理念というのは少しボンヤリ
する印象があるので、

ミッションとビジョン
 社会から公器として求められていること
 それを達成した状態

スピリッツ(魂)
 何を大切に仕事するかの価値観一丁目一番地

行動指針
 これらを実践する上での
 ある程度具体的な行動判断基準


の三つにしていますが、言葉は各社それぞれ
で肚落ちしていれば、いいと思います。


大きく括って理念としますが、
企業は理念実現のためにあるので、
理念実現につながる経営戦略が必要です。



理念実現が経営としたときに、
経営の方針・方向性を決めるのが、
経営戦略です。

戦略は戦を略する(孫子)ということで、
どの領域で事業をするのか?
どの領域でしないのか?
を決めます。

現在地がどこにいて、
どのようなゴール(一般的に3年程先)に向い
ルートをどうするのか?を決めます。



この経営戦略を実現する人事戦略の
コアが人財像になります。



環境認識・内面にあるもの
  ↓
ミッション・ビジョン・バリュー
理念など
  ↓
これを実現する経営戦略
  ↓
経営戦略を実現する人事戦略
  ↓

その核としての人財像


こういう順番ですね。



人事戦略も変わってきています。

人でなくAIを活用する場面も
出てきます。

人の働き方も多様性が出てきています。

正社員だけではありません。
パート・アルバイトの方もいれば、
派遣社員もいます。
業務委託メンバーもいます。

勘違いしてはいけないのは、
正社員=上、パート・派遣・業務委託=下
ということではないということ。
単なる働き方と役割の違いにすぎません。

その中で、それぞれの立場や働き方、
働ける状況別に、どんな人財を求めるのか?
人財像を明確にできれば、

社員採用、パート・アルバイト採用、
業務委託メンバーへの依頼の
基準が明確になり、
ミスマッチが大幅に減ります。

ミスマッチが減ると、働くメンバーの
ストレスも減りますし生産性もあがります。
離脱も減ります。




順をおって、あるべき人財像を
具体化していきましょう。

手間が掛かっても、一度しっかりつくると、
後の生産性が全く変わってきます。