「理念の体験者です」と言い切った人に会いました

チームSKM 佐々木千博です。


突然ですが、
あなたの会社の理念を、社員の方は「説明」できますか?

もう一つ。
その理念を「体現している」と言えるでしょうか?

この二つは、似ているようで、ずいぶん違います。



先日、仲間とともに埼玉県の石坂産業さんを訪ねました。
産業廃棄物の中間処理を行っている会社です。


「産廃」と聞くと、どんな職場を想像するでしょうか。


きつそう。
汚れそう。
健康にも悪そう。
できれば働きたくない。


そんなイメージを持つ人もいるかもしれません。


ところが、実際に現地を歩いてみると、
社員の方のガイドを聞くと、その印象は大きく変わります。


そこで働いている人たちが、仕事について生き生きと語る。


現場で中間処理をしている人も
自分たちの仕事に、誇りを持っている。
そして何より、会社を愛している。



ちなみに、石坂産業さんは1999年に
「所沢産の野菜からダイオキシンが検出されました」という
ニュースを発端としたダイオキシン問題で、
誤解され、農家への風評被害もあり、、、

「自分達がこんなに苦労するのは、ダイオキシンを出している産廃屋がいるからだ!」と言われ、

「石坂はこの街から出ていけ!」と横断幕貼られ、

果てには、産廃処分事業許可の取消をもとめる裁判まで提訴された企業です。

実際には、誤解だったのですが、一度ついてしまった火は消えません。

詳しくは、石坂社長の『絶体絶命でも世界一愛される会社に変える!』を読んでください。

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断腸の想いで、最新の環境に優しい焼却炉を廃炉にし、
そこから、経営理念をつくり、地域に愛される会社づくりに勤しまれます。

そして今、

それが、当時、地域追放運動をしていた家の
子どもが入社する会社になりました。

働くメンバーが誇りをもち、イキイキと自社のことを
語る会社になりました。業績も成長し続けています。



■ 「私は、理念の体験者です」

今回、特に心に残った言葉があります。

入社7年目のコンシェルジュ、エミリーさんが、
質疑応答の中でこう話してくれました。

「私は、自分が理念の体験者だと自負しています」

「理念を理解しています」でも、

「理念を大切にしています」でもありません。


理念の“体験者”です。

この表現に、私はとても惹かれました。


石坂産業さんは、当初、生きる経営理念として、
創業者の好男さんおられ、
特に理念は言語化されていませんでした。

しかし、これからは、会社における最高意思決定基準である
経営理念がどうしても必要だと、大逆境から会社を変革する
には絶対に必要だと、お試し社長の典子さんが
お父様である社長に依頼されました。

創業者が数日して言語化した理念は、
「謙虚な心、前向きな姿勢、そして努力と奉仕」


1999年のダイオキシン騒動を契機に、
焼却処分から減量化・資源化へと大きく事業を転換しました。

焼却から撤退し、40億円を投じて屋内型のプラントを建設。

現在では、減量化・再資源化率98%を実現しています。

そんな会社の歩みを支えてきた背骨の一つが、この理念なのでしょう。


では、その理念をエミリーさんが、体現者と自ら自負できる
にはどんな道のりがあったのでしょうか?



■ 理念は「覚えるもの」ではなかった

では、エミリーさんは、入社した時から理念に強く共感していたのでしょうか。

共感はしていたが、そこまでではなかったそうです。

それが変わっていった。

今、石坂産業さんには年間約6万人が訪れ、
会社見学だけでも年間約5000人が訪れます。

その方々に、自分たちの会社の歴史や仕事、そして想いを語る。

何度も、何度も語る。

すると、面白いことが起こります。

人に語った言葉を、いちばん近くで聞いているのは、

実は、自分自身です。

「私たちは、こういう会社です」

「私たちは、これを大切にしています」

そう語れば語るほど、

「では、自分はその通りに生きているだろうか?」

と、自分自身に問いが返ってくる。

語る。

行動する。

また語る。

振り返る。

その繰り返しの中で、理念が単なる「会社の言葉」から、

自分自身の価値観や行動へと染み込んでいったのです。

だからこそ、「理念の体験者」という言葉が出てきたのではないでしょうか。


■ 理念は、頭ではなく身体で学ぶ

これは、理念浸透を考えるうえで、とても重要なことだと思います。

理念研修をする。

理念カードを配る。

朝礼で唱和する。

もちろん、それぞれに意味があります。

でも、人は「正しいことを聞いた」だけでは、なかなか変わりません。

実際の場面で考え、行動し、うまくいったり、迷ったり、誰かと語り合ったりする。

そうした疑似体験や実体験を通じて、

「ああ、この理念って、こういうことなのか」

と腹に落ちていく。

私はこのプロセス・歩みに大きな意味があると思っています。

理念を“教える”。

そこから一歩進んで、

理念を使って考える。
理念を使って語る。
理念を使って行動してみる。

頭で理解していた理念を、身体で感じる機会をつくるのです。


考える機会も多いそうです。
マニュアルというものはあまりなく、
「これって石坂らしい?」という問いかけがかなり多いそうです。



■ 理念スピーチのすすめ

私が組織変革のご支援に取り組む時に、
取り入れるものの一つに「理念スピーチ」があります。

自社の理念や行動指針に照らして、

「自分は実際に何をしたのか」

を、2分間のストーリーとして語ってもらうのです。
最初は嫌がられたり、上手く話せなかったりします。

しかし、うまく話すことが目的ではありません。

理念を解説することでもありません。

自分の経験と理念を結びつけるためです。

「あの時の自分の行動は、この理念につながっていたのか」

「あの判断には、この価値観が表れていたのか」


自分の経験に意味が与えられる。

そして、それを人に語ることで、理念がさらに自分のものになっていく。

理念浸透とは、言葉を覚えてもらうことではなく、
こうした小さな「理念体験」を、組織の中にどれだけ増やせるかです。


■ 今日、2分だけやってみませんか?

難しいことをする必要はありません。

まずは、こんなことから始めてみてください。

・自社の理念や行動指針から、一番心に引っかかる言葉を一つ選ぶ

・その言葉が表れていた最近の出来事を一つ思い出す

・「なぜそうしたのか」「感じたこと」まで含めて、誰かに2分だけ話してみる


同僚でもいい。
部下でもいい。

うまく話せなくても大丈夫です。

大切なのは、
理念について話すのではなく、理念を通して自分の経験を語ること。

その2分が、理念を「会社から与えられた言葉」から、
「自分自身の言葉」へ変える小さな一歩になるのです。


■ もう一つ、現場で感じるものは大きい

今回、私自身も石坂産業さんを実際に訪れたからこそ、
感じられたことがたくさんありました。


文章で読む。

講演を聞く。


それも大切です。

でも、実際にその場所に立ち、
働いている人の表情を見て、
その人自身の言葉を聞き、
場の空気を感じる。


すると、学びの深さが変わります。


だから私は、これからも
「知る」だけでなく、「感じ、考え、語り合う」学び
を大切にしていきたいと思っています。


私たちが開催する、共に学び、共に育ち合う『共育コミュニティ』
さんよし会では、いい会社・幸せな会社にONLINEでも
できるだけ触れ、そして語り合う(コレ大事!)時間を設けています。


次回、さんよし会もそのような時間になります。

誰でも無料で、たのしく参加できます。

ぜひ、ご参加下さい。


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■イキイキ働きたいカッコイイ大人のベースキャンプ「さんよし会」
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