人をダメにする方法

先日、致知という雑誌を読んでいたところ、
山形かみのやま温泉を代表する旅館「古窯」創業者である
95才の大女将の対談記事が載っていました。

創業73年なので、経営歴73年です!

その方の若い頃のお話に人が成長するヒントを
観ました。


かいつまんで、お伝えすると、


~~ あらすじ ~~

21才の時に結婚した夫が、別の旅館の次男さんで、
サラリーマンをされていたが、
身体が弱い息子さんのために義母さんが、

「もしものことがあったらいけないから、
 旅館の仕事をやりなさい」

と300坪の温泉付きの土地を買ってくれたんだそうです。


ちょっとラッキーと思いましたか?笑


しかし、土地のみで建物も何もない。
この土地でどうするんだ?
と聞いてみたら、

「あなたの実家からもらってきなさい」

要は自分で何とかしなさいという具合。



実家の建物を半分もってきて創業開始。
水道もないので、天秤棒で川から水を
とってきて運ぶ。
自転車で30分先の電話を借りに行く。


その後、義母さんは、金庫もくれました。
何だかんだ見守ってくれていて、
助けてくれるんだ。優しいなぁ~

と思った貴方。
大女将も、このお金にお米を買おうか
何を買おうか?と嬉しい思案をしたそうです。

で、フタをあけると、、、

空っぽ。

あれ?と義母に聞いてみると

「一銭も入っていない金庫にお金を入れる
 のもあなた、これを捨てるのもあなた。
 すべて人のせいにしないこと」

と言われたんだとか。


~~ あらすじ ここまで ~~


明治の女性は強いですね!


しかし、私が師匠から頂いた言葉でいえば
「全ての因は我にあり」
を素直に受け取って頑張った結果、
たくさんの苦労もしたけれど、
素晴らしいお客さまや支援にも恵まれて、
地域を代表する旅館にまで育て上げられたようです。



さて、この話から皆さんは何を考えましたか?


義母さん、もう少し優しくてもいいのでは?
と思われた方もいるかもしれません。

大女将すごいな!とても真似出来ない!
と思われた方もいるかもしれません。



私は、人財育成の重要な点との共通点を感じました。

それは、与えすぎても、与えなすぎても
人はダメになるということです。



子育てでイメージすれば非常に
分かりやすいと思うのですが、

全く何の知識も情報も支援もなしに、
(出来る人もいるとは思いますが)
一般的には、なかなか成長できないと思います。

一方で「寄り添い」や「心配」という名のもとに
過保護になっても、人はダメになりがちだと
思っています。

自分で頑張ったら、何とか手が届く程度の
支援が一番成果が出るし、本当の優しさだろうなと
思っているのです。



与えすぎも、与えなさすぎも、
人をダメにする。


機会を与え、頑張れば出来るギリギリの支援は
しっかりとして、後は見守る。
少し不親切くらいが人財育成には
丁度いいのかもしれません。