代々初代
「代々初代」という言葉をご存知ですか?
1852年、奥州街道の郡山宿に門前茶屋として
創業した和菓子の老舗「柏屋」を継ぐ
本名(ほんな)家に伝わる200近くあるという
家訓の一つです。
初代善兵衛さんが考案したという福島名物
「薄皮饅頭」を、全国区の銘菓に育てた想いを
五代目本名善兵衛さんは、
「一代一代が初代の気持ちで、お客さまに
喜んでいただける提案をしていくように」
という意味だと言われています。
前号のメルマガで、「経営者の一番大切な仕事は?」
と投げかけをさせて頂いたのですが、
一つの答えが『次世代への経営承継』
だと私は考えています。
企業(事業)はゴーイング・コンサーン。
先号でいえば、サステイナブル、継続する経営
ということが、重要なことだからです。
事業の継続
ただ、長男に継がせればいいのか?
企業=家業でもあった江戸時代とは違います。
もちろん、家業としてオーナー家が
経営を続けるのも素晴らしいことと思います。
オーナー家でも、社員が経営を承継する場合
でも、大切なことが、『ただ譲り受ける』
マインドでは到底ダメだということです。
未曾有の激変期(少子高齢化、第四次産業革命、
世界情勢の変化、価値観の変化)にあって、
受け身で、ただ継承するだけでは、やっていけない
ということです。
では、どういう経営者交代・経営承継だと
いいのか?
それが、「代々初代」。
前号でお伝えした120年企業A社の4代目社長は、
100周年の節目の年に、「私はベンチャー創業者
になります!」と宣言しました。
そして、ジリ貧の業績から、
同じメンバー、同じ商品、同じ顧客にも
関わらず、数年で全く違う業績に変革させました。
今や、数字を見ると、うらやましい・・・
という会社になっていますし、
皆がイキイキと働き、残業は非常に少なく、
育休(男女とも)もほぼ100%取得、離職もない
会社になりました。
中小企業庁は、「ベンチャー型事業承継」と
言っています。ベンチャーマインドをもった
事業承継ということですね。