2027年「育成就労」で外国人雇用はどう変わる

チームSKM 吉田です。

約20年前、私が工場勤務していた頃、
現場には約10名の外国人技能実習生がいました。

全員が同じ国籍で、昼休みに彼女たちが振る舞ってくれた
本場の手作り餃子は通常の倍ほどの大きさで、
今でも鮮明に覚えています。

食堂の食事もボリュームがあったため、
食べきれないので、そっと逃げていた記憶さえあります。

本題に入ります、当時の技能実習の実態は、
「国際貢献による技能移転」という建前とは裏腹に、
深刻な人手不足を補うための単純作業の労働力確保が
中心でした。当工場も例外ではありません。

そんなある日、
技能実習生とは別に資材の出庫を担当していた
熟練の外国人スタッフが、突然職場から姿を消しました。

私が赴任する前から派遣会社を通じて働いていた
信頼の厚い戦力でしたが、在留資格の問題で急遽母国へ
強制送還されたのです。

私は資材責任者であったので、本社上層部から

「なぜ在留資格を確認していなかったのか」
「派遣会社のコンプライアンス体制はどうなっているのか」

と厳しい叱責を受けました。


前任者の管理不足を理由にしたかったものの、
それを口にするのは責任者として失格だと
苦虫を噛み締めた記憶が鮮明に浮かびます。
知識がなかったのは否めません。

技能実習制度は本来「労働力の需給調整の
手段としてはならない」と法律で定められていました。

しかし現場では人手不足を補うために制度が使われ続け、
建前と実態の乖離が常態化。労働環境の問題や失踪など、
制度の限界が明らかになっていきました。

こうした矛盾を背景に、政府は2024年に
技能実習制度の発展的解消を決定。

2027年4月から新たな「育成就労制度」が
本格始動します。新制度は従来の建前を脱し、

「特定技能1号水準の人材育成」と
「我が国の人材確保」を明確な目的に掲げています。

日本で知識や技能を培い、特定技能へステップアップする
キャリアパスが制度として整備されるのです。



<経営者・リーダーが果たすべき最低限の義務>

制度の理念が変わる今、企業がまず取り組むべきは
コンプライアンス体制の再構築です。

過去の私のようなトラブルを防ぐためにも、
以下の責任は最低限果たさなければなりません。


1. 在留資格・在留カードの厳格な確認

雇入れ時には在留カードや旅券の原本を必ず確認し、
就労可能な在留資格か、有効期限内かを点検すること。

不法就労を見逃せば企業も不法就労助長罪の対象になります。


2. 外国人雇用状況の届出の徹底

雇入れ・離職時には氏名、在留資格、在留カード番号などを
確認し、ハローワークへ届け出る義務があります。

雇用保険の手続きをしているから大丈夫と思い込まず、
雇用保険の対象とならない場合なども含め、外国人の
雇用状況の届出が必要かを確認することが重要です。


3. 外部機関(派遣元・監理団体)の適格性確認

「派遣会社が間に入っているから安心」と思い込まず、
許可状況、法令遵守、サポート体制を企業自身が
厳しくチェックする必要があります。


4. 公正な労働条件と職場環境の整備

日本人と同等以上の賃金、明確な労働条件、
適正な労働時間管理、住環境への配慮など、
働く仲間としての人権を尊重した環境づくりが不可欠です。


<まとめ>

外国人労働者を「人員不足を埋める一時的なワーカー」と
みなす時代は終わりました。

2027年の制度移行は、企業が外国人材から
「選ばれる職場」になれるかどうかの分かれ目です。

コンプライアンスという最低限の足元を固め、
育成と共生の姿勢で向き合うことこそ、
人手不足時代を生き抜くリーダーに求められています。

正直、これだけで本当にうまくいくのか不安はあります。

私自身、外国人就労環境の改善に関する審査業務に携わる中で、
技術・人文知識・国際業務(いわゆる技人国)での在留資格の
保持者が非常に増えていることを実感しています。

しかし、技人国についても、業務内容の適合性や日本語能力、
派遣形態など、より厳格な運用が求められるようになりました。
企業側の姿勢が問われる時代に入ったことだけは、
間違いありません。



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