なぜ仕事はいつもギリギリになるのか?
チームSKM 吉田です。
「また締め切りギリギリになってしまった」
「期日直前にならないと本気が出ない」
多くの人が抱える悩みです。
毎回「土俵際」に追い込まれ、火事場の馬鹿力で
乗り切る働き方は、精神的にも体力的にも疲れます。
今回は、京セラ創業者・稲盛和夫氏の哲学
「土俵の真ん中で相撲を取る」を手がかりに、
先延ばしの正体と、そこから抜け出すための
「技術」をまとめます。
<なぜ人は「期日ギリギリ」まで動けないのか>
私たちは「直前にならないと集中できない」と
言い訳しがちです。
確かに、締め切り直前になると危機感から集中力が
高まり、驚くほど仕事が進むことがあります。
しかし稲盛氏は、この働き方を相撲の「うっちゃり」に
例えて戒めます。
追い詰められてから逆転する勝ち方は、
「一歩間違えれば即、敗北」という危険と
隣り合わせです。
「うっちゃりで勝てる力があるなら、
なぜ最初から土俵の真ん中でその力を発揮しないのか」と
いうのが稲盛氏の指摘です。
<成功者の経験値:大学時代に気づいた「安全弁」>
稲盛氏がこの真理に気づいたのは大学時代の試験勉強でした。
試験直前に焦るのが嫌だった彼は、試験の何日も前に
勉強を終えるスケジュールを自ら作り、実行していました。
ある年、試験の4~5日前に肺炎で高熱を出します。
しかし、すでに勉強を終えていたため、
熱がある中でも試験を受け、
この経験から稲盛氏は、「予期せぬトラブルがあっても
破綻しない安全弁(バッファ)を持つこと」
さらに稲盛氏は、中小企業の経営者が手形決済を
当日にギリギリで乗り切り、「一仕事終えたような顔」を
している姿を例に挙げ、こう批判します。
「倒産を免れただけで、何一つプラスの仕事をしたわけではない。
事前に分かっている決済になぜ前もって準備をしなかったのか」
ギリギリの攻防に達成感を覚えるのは錯覚であり、
実際には怠慢が生んだ危機管理能力の欠如だという厳しい指摘です
<明日からできる「マイ締切」技術(精神論ではなく「技術」)>
前倒しで進める仕事術は精神論ではなく、
誰でも明日から実践できる「技術」です。
(1)本当の納期より5~10日前に「マイ締切」を設定する
本当の納期ではなく、数日前を「自分の土俵際」と定めます。
(2)週に半日の「予備時間」をつくる
予定を詰め込みすぎず、急なトラブルや体調不良に
対応できる時間を最初から確保します。
ただし、これだけでは「まだ本当の納期は先だし・・」と
いう油断が生まれたり、
「予備時間なんて確保できない」と感じたりします。
そこで有効なのが、予定を7割で組むという技術です。
私が総務にいた頃、
先輩から「総務は急な仕事が飛び込む。
予定は7割で組みなさい」と教わりました。
これは稲盛氏の安全弁の考え方と同じで、
実務でも非常に効果があります。
<夏休みの宿題に見る「本質」>
夏休みの宿題でも、
・簡単なものから片付ける派
・難しいものを先にやる派
に分かれます。
どちらが本人にとって良いかは性格次第ですが、
領域が広いケースほど、
「難しいものを先に少しだけ着手しておく」という
ハイブリッド型が最も負荷を軽くします。
読書感想文なら最初の10分だけ読む、
自由研究ならテーマだけ決める。
「着手」しておくだけで、後半の心理的負荷が大きく減ります。
ここに見える本質は、「難しいものを完全に後回しにすると、
心理的負債が雪だるま式に増える」ということです。
だからこそ、稲盛氏の言う「土俵の真ん中で相撲を取る」
ためには、早めに着手する技術が欠かせません。
<まとめ:土俵の真ん中で未来の余裕をつかもう>
仕事がギリギリになるのは、能力の問題ではなく、
最初から余白のない計画を立てているからかもしれません。
土俵際で踏ん張る働き方をやめ、本当の締切より5日前に
「マイ締切」を置き、予定は7割で組み、
難しい仕事には少しだけ着手しておく。
小さな前倒しが、仕事の質と心の余裕を
大きく変えてくれます。
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