「適菜適処」 ~野菜と対話する料理人から学んだ『適材適所』の意味~

チームSKM 中川です。


今日も、ゆるーくやってまいります。
どうぞよろしくお願いします。

先日、東京に行った際、
行きつけのお店でマスターと話をしていました。


料理の腕はもちろんですが、
話を聞いていると、

「料理人って、こんなふうに育っていくんだ」

と、とても興味深い話を聞くことができました。

 

■「食も芸術だ」

マスターは、もともと絵が得意だったそうです。


高校時代には、
「自分は芸術の道に進むのかな」
と考えたことも。


ところが、友人の作品を見て、
「自分には、これは描けない」と思った。


絵が上手いことと、
芸術家として独創的なものを生み出すことは違う。

 

芸術には技術だけではなく、
その人にしかない“何か”が必要なのだと感じたそうです。


ナンバーワンよりもオンリーワン、ということですね。

そんなとき耳にしたのが、
「食も芸術だ」という言葉。

そこから料理の世界へ進んでいきます。

 

修業では、
氷の彫刻をしたり、
野菜を見る目を養ったり、


果物を食べながら、

「甘い」「酸っぱい」「苦い」

「熟している」「まだ若い」

 

そんな違いを、
頭ではなく舌と身体に覚え込ませていったそうです。

 

■「お前、野菜と対話してるか?」

その頃、先輩料理人から言われたそうです。


「お前、野菜と対話してるか?」

 

……野菜と対話?

 

最初は、さっぱり意味がわからなかった。

 

そりゃそうですよね(笑)

 

大根に、
「今日は調子どう?」
と聞いても返事をしてくれません。


でも、経験を重ねるうちに、
その意味がわかってきたそうです。


同じ野菜でも、
大きさ、水分量、甘さ、旬、育った環境が違う。


だから、

「この野菜なら、どう料理してやるのが一番いいのか」

を考える。

 

焼くのか、煮るのか、蒸すのか、生か。

薄く切るのか、厚く切るのか。

味を足すのか、素材の味を生かすのか。

 

野菜をよく見て、特徴を知り、
その持ち味が一番生きる料理にする。


それが、

「野菜と対話する」

ということだったのだと思います。

 

■「適菜適処」から「適材適所」へ

この話を聞きながら、

私の頭に浮かんだ言葉があります。


「適菜適処」

もちろん私の造語です(笑)

 

野菜の特徴を見ながら、
その持ち味が最も生きる料理にしていく。

 

すると、もう一つ浮かびました。

「適材適所」です。


経営でも、
「適材適所が大切」とよく言います。

 

営業が得意な人。

人をまとめるのが得意な人。

一人でじっくり考えるのが得意な人。


それぞれの強みを生かして、
適切な場所ではたらいてもらう。


確かに大切です。


でも、マスターの話を聞きながら思いました。

 

適材適所を考える前に、

「私たちは、その人とちゃんと対話しているんだろうか?」

 

野菜をよく見ずに、

「大根だから煮物」

「トマトだからサラダ」


と決めつけたら、
その素材の良さを生かせないことがあります。


人も同じではないでしょうか。


「営業だからこういう人」

「若手だからまだ無理」

「この人はこういうタイプ」


いつの間にか、
こちらが決めつけてしまう。


でも、人は変わります。


昨日まで苦手だったことが、
今日は得意になっているかもしれない。


やったことがないだけで、
大きな才能を持っているかもしれない。


本人ですら気づいていない強みが
あるかもしれません。

 

■人を「配置する」前に、対話する

だからこそ、
経営者やリーダーに必要なのは、


人を「配置する力」だけではなく、
人と対話する力なのだと思います。

 

 何が得意なのか。

 何をしていると楽しいのか。

 どんな仕事をしてみたいのか。

 何を大切にしているのか。


そして、

「この人の持ち味が、一番生きる場所はどこだろう?」

と考えてみる。

 

料理人が野菜の声なき声を聴くように、
リーダーも、人の言葉の奥にあるものを聴いてみる。

 

すると「適材適所」は、
単なる人員配置ではなく、

「その人を活かす経営」

になるのではないでしょうか。

 

いい料理とは、
高級な素材を使った料理ではなく、
素材の持ち味を最高に活かした料理。


いい会社もまた、
優秀な人ばかりを集めた会社ではなく、


一人ひとりの持ち味が
生かされている会社なのかもしれません。


皆さんは今日、
一緒に働く人と、ちゃんと「対話」していますか?

 

その人の一番おいしいところ、
ちゃんと引き出せていますか?

 

適菜適処。


そして、適材適所。


料理と経営。


まったく違う世界のようで、
実はよく似ているのかもしれません。

 

さんよし会では、
さまざまな経営者やリーダーという
個性豊かな「野菜(笑)」が集まり、
この「対話」を大切にしています。
どんな料理になるかは、その日のお楽しみ。

 

ぜひ、ご参加ください。

それではまた。


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