会社の未来のお役立ち像から、事業を発想する

先週、とてもいい経験をしました。

ある会社の経営者から個別相談の依頼を頂いて2時間ほど面談をしたのですが・・・・

社長からの相談内容はこんな内容です。

— 相談内容 —
曰く、売上の減少が長らく続いている。
そんな中で社長のバトンを受け取ったが、会社を変えていかないといけない。

私は、一番昔からの事業Aの減少は市場
環境から止む得ないと思うので、
伸びている事業B・事業Cを伸ばしたいと思うけれど、どう思うか
どのように進めればよいと思うか?

— ここまで —

その会社のことは外部からある程度
知っていましたが中身の話を聞くのは初めてなので、
事業分野別の状況や、従業員構成、バリューチェーンの流れをさっと確認して、
いくつかの再成長の道筋の仮説を立てました。

話を聞きながらライブで仮説を複数立てましたが、
それを事細かに説明、アドバイスすることはしませんでした。

なぜなら、それを断片的に伝えても実行されないし、
実行してもうまくいかないことが分かっているからです。

かわりに、「◯◯さんは、株式会社☆☆をどんなお役立ち会社にしたいんですか?」

「なぜ、◯◯を扱う事業をしているんですか? 他のものじゃダメなんですか?」

といったことを聞いていきました。

すると、この会社が扱っている製品に関する思いが、
少しずつ口から出てくるようになり、ミッションと
それを実現したNo1ビジョンが言葉になりました。

『(株)◯◯は、◯◯の提供を通して、◯◯を伝えるNo1企業になる』

そこからは、とても楽しい時間になりました。

現状の目に見える資産は勿論、組織資産、人的資産、関係資産などの知的資産も含めて、
それらを使ってNo1ビジョンを実現するためのアイデアや必要な要素が20個くらい
あっという間に出てきました。

ここまで最初から、たったの2時間。

社長の中に眠っていた会社の存在意義や、会社のお役立ち像が明確になったことで、
熱をもって、圧をかけて取り組める血の通った経営指針のラフスケッチができました。

会社は理念を実現するためにあるものです。
理念とは、仕事する理由であり、動機であり、判断基準であり、お役立ちの指針です。
経営方針や計画は、それを実現するための道筋です。

ゴールがないまま出発したり、ゴールが不明瞭なまま出発すると、
計画のための計画、場合によっては害毒にさえなります。

現状の付け焼き刃・対処療法でなく、原点から考え直してもらったことで、
とても価値ある時間になり、私もとても嬉しかったです。

勿論、このラフスケッチはスタートであって、
この後、正しい順番で、正しく社内外を動かしていく必要がありますが、
スタート地点を間違えると大変な遠回りになります。

事業計画策定や部門計画策定の際、あなたの会社では、経営者の信念・志や、
会社のお役立ち像(理念と、それを実現したビジョン)を確かにするプロセスを
きっちり踏んでいますか?

お役立ち像が十分に肚落ちしていて、
それを実現するためという文脈で、計画が立てられていますか?

私も◯◯社長の会社が、これから目を見開くようなV字回復するところ、見守っていきたいと思います。

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