計画達成4ステージ‐Step2
昨日から5回連載の予定で、
計画達成のステップをお伝えしています。
今日がStep2です。
毎年、計画をつくるけれど、
作ってそれで終わってしまう。
計画は達成したりしなかったり。
未達が普通。
そんな経営者の参考になれば幸いです。
1.達成に繋がる「計画」パート
2.やりきる「達成」パート
を更に2分割した4ステップは、
以下のものです。
Step1.正しい計画・肚落ち計画にする
Step2.実行可能な具体的レベルに落とし込む
Step3.行動と結果・見込の見える化
Step4.厳愛と慈愛の先行管理
→計画達成
Step1とStep2は、計画達成のうち、
達成する計画パートです。
どんな計画でも達成するという
魔法使いみたいなこと、精神論者の
ようなことは私はいいません。
無理筋の計画は、無理筋です。
達成しにくい計画づくりと周知を
した段階で、半分失敗です。
総論すばらしいけれど、総論だけしかない計画。
具体性のない計画、実行メンバーに理解・共有
されていない計画は上手くいきません。
今日は、Step2「実行可能な具体的レベルに落とし込む」です。
Step1とStep2は、計画達成のうち、
達成する計画パートです。
大きくStep2も3パートあります。
■パート1 戦略の戦術への落とし込み
前提となるのが、
ステップ1のパート3で、
上級リーダー(役員や部長)が、社長方針
を肚落ちするまで対話し考え、自分の言葉で、
現場リーダー(課長・店長・班長)戦略を
話ができることです。
「社長が言っていたから、
後は課長で考えてください」
というような上級リーダーは、
今すぐ課長になって現場リーダーから
やりなおしましょう。
戦略というのは、
『どの経営資源(人、モノ、金、時間)を、
何に、どのくらい使うのか?』
簡単にいえば、
『誰が、何を、どのように』するのか?
ということですが、戦略での『どのように』
は非常に多く括りのものになります。
例として、私の前職、商業印刷の会社で
考えてみたいと思います。
※商業印刷とは、色々な会社のチラシや
カタログをつくる仕事と思ってもらえばOKです。
~~~ 戦略 ~~~
当社はチラシを中心にやってきたが、
このチラシデータを活用して
顧客企業のデジタルコミュニケーション
支援分野に進出し、デジタル領域で1億円達成。
~~~ここまで~~~
なるほど、確かに今は、広告も販促も
デジタルにシフトしているから、
そちらでもお役立ちしていくんだな。
確かにそうすべきだな・・・
と多くの人が思うわけです。
総論賛成です。
では、これで現場の担当者が
動けるでしょうか?
たとえば営業現場から
こんな声が聞こえてきそうです。
『で、何をすればいいの?』
経営者からすれば、それを考えて実行
するのが君たちの仕事だろ!
となるのかもしれませんし、
それで出来る組織もあるでしょう。
しかし、それは暴論です。
現実的には、あまり行動できないまま
今期が終わります。成果も勿論でません。
具体的にすればするほど、
現場はまよいなく動けます。
どこまで具体化すべきか?
どれだけ裁量にゆだねるべきか?
は組織の成熟度や、一体度、
各メンバーの能力によって
バラバラですが、具体化が必要
なことは間違いありません。
先の戦略の場合、例えば
~~~ 戦略 ~~~
当社はチラシを中心にやってきたが、
このチラシデータを活用して
顧客企業のデジタルコミュニケーション
支援分野に進出し、デジタル領域で1億円達成。
~~~ 戦術 ~~~
既に印刷物制作を請け負っている得意先
に的を絞って、
印刷用データを変換して、オンラインカタログ
を作るサービスを追加販売する。6000万。
SNS用ショート動画を制作するサービスを
追加販売する。2000万。
SNSとSNS広告のアドバイス事業へ参画し、
2000万のコンサル売上を実現。
ショート動画とSNSの領域は、
この分野で強いB社の連係して進める。
~~~ ここまで ~~~~
となります。
他にも色々な可能性がありますが、
このケースでは、対象者とやることを
具体的にしたわけです。
もう少し具体的にしてもよいと思いますが、
一例としてご理解ください。
これを、上級リーダー(役員・部長)と
現場リーダー(課長・店長・班長)が
しっかり議論を尽くして決めるのです。
これは、上級リーダーと現場リーダーの仕事です。
ここも色々な会社を見てきた感触として
とても怪しいように思います。
大企業の場合は、伝言ゲームになって
いるケースが散見されますし、
中小企業の場合、社長が上級リーダー
の役割も果たさねばならないのに、
出来ていないというケースも多いです。
現場リーダーが思考停止で、
現場の担当者に戦術部分を丸投げ
しているようなケースもあります。
■パート2 戦術の行動計画化
さて基本的な戦術が決まったとします。
これで現場が迷いなく動けるか?
というとまだ不十分です。
具体的に例にした方が分かりやすい
ので、上記戦術から一つだけ
抜き出して行動計画化してみます。
~~~ 戦略 ~~~
当社はチラシを中心にやってきたが、
このチラシデータを活用して
顧客企業のデジタルコミュニケーション
支援分野に進出し、デジタル領域で1億円達成。
~~~ 戦術 ~~~
既に印刷物制作を請け負っている得意先
に的を絞って、印刷用データを変換して、オンラインカタログ
を作るサービスを追加販売する。6000万。
~~~ 実行計画 ~~~
4月中に、
既存得意先でオンラインカタログ
需要のあるところを全てリストアップ
(担当:営業Aさん、チェック Z課長)4月中に、
「チラシのオンラインカタログ化」
の汎用提案書をつくる。
(担当:企画Bさん サブ:開発Cさんと営業Aさん チェックZ課長)5月中に、
練習として関係性がよく
フィードバックがもらえる得意先
からリサーチも兼ねた提案を実施。
10社訪問と提案。(担当:営業AさんとDさん6月中に、・・・
~~~ ここまで ~~~
こんな具合です。
これを現場リーダーと担当者で
一緒に作り上げていきます。
・具体的な行動レベルになっていること
・手順が明確であること
・期限が明確であること
・途中で進捗が分かるようになっていること
(主に数値化)
一緒につくるから、やることへの
納得感が生まれます。
担当自身も決めた行動計画の
中で創意工夫ができます。
ここの手間を惜しんではいけません。
全て現場リーダーが決めて、
1~10まで指示するスタイル
では担当が思考停止になります。
やる気も低迷します。
逆に担当任せになっている
ケースが散見されます。
この場合、皆がそれぞれバラバラに
動くので実行の焦点がぼやけます。
それぞれが頑張っているのに、
成果になりにくい・・・
というリスクが増します。
■パート3 コミットと見える化
実行計画まで落とし込めたとします。
これで安心してはいけません。
各担当に「コミット(約束)」してもらうのです。
十分に議論を尽くしていれば、
その時点でのベスト計画になっていれば
コミットはできるはずです。
逆にいえば、コミットできるまでパート2で
議論しましょうということです。
コミットしてもらわないと、
絵にかいた餅になるリスクが上がります。
コミットしてもらうかどうか?で
実行度は確実に変わります。
そして、コミットした内容を、
本人も関係者もいつでも
見える状態にしておきましょう。
壁に貼るなど物理的に見えるように
しておくことがおススメです。
パソコンの共有フォルダなんて、
誰もいつも見ません。
・・・・・
このステップ2での
一つの大きなポイントは、
各階層間で議論を尽くすということです。
考えないから議論できないのか?
議論しないから考えられないのか?
心理的安全性がないから議論できないのか?
面倒だから考えたり、議論しないのか?
分かりませんが、
考えて議論して決めるというプロセス
が抜けているか?量が少ないケースが
多いように思います。
議論ばかりしていて行動しないのは
ダメですが、それを盾に議論しない
というのもおかしな話です。
尚、当社の担当にそこまで考えさせる
のは現状ハードルが高い・・・
という場合は、現場リーダーが行動計画
をある程度作って、
そのうえで担当にも考えてもうのも、まずはアリです。
議論から逃げずに今日もがんばりましょう!
明日は計画達成の4ステップ
Step1.正しい計画・肚落ち計画にする
Step2.実行可能な具体的レベルに落とし込む
Step3.行動と結果・見込の見える化
Step4.厳愛と慈愛の先行管理
ステップ3、実行フェーズに入ります。