営業(販売)プロセス、どうなってますか?

昨日、私が社外マネージャーをしている会社の
「研鑽会」という講座の休憩時間に、
参加者のYさんとの雑談で、出てきた話です。



業種・業態・規模を問わず、何らかの
マーケティングや営業(販売)は必要です。

ドラッカーの本には「マーケティングの目的は営業を
不要にすること」という話もありますが、
実際は、「営業を必要最小限にする」と言った方が
適切だと思います。


さて、営業(販売)についての
雑談だったのですが、

ビジネスコンサルタントの権威として、
IBM,モービル、バンクオブアメリカ、
クライスラー、コカコーラ等を始め、
フォーチュン500社に入る有力企業のうち
300社以上に関わった、ブライアントレーシーは
「販売方式の新形態」というものを、
今となっては、もうずいぶん昔に提唱しています。

これは今でも非常に有用な考え方です。
私もとても大切にしています。


これと逆行する旧時代の営業・販売方式も
紹介していますが、あなたは
どちらの営業・販売方式に近いでしょうか?


■古い販売方式(△型)

Step1.適格性の確認(全労力の1割)
 相手が商品を買う可能性のある人かの判断をする

Step2.ニーズの把握(全労力の2割)
 相手のこと、相手の問題やニーズを知る
 ヒアリングをさらっとする

Step3.プレゼンテーション(全労力の3割)
 さらっとヒアリングしていますが、
 しっかり分からないので、全般的に
 自社の商品の素晴らしさを説明します。

Step4.クロージング(全労力の4割)
 買った方がいい理由をこんこんと説明します。
 反論への対処をし、購入した時のメリット、
 購入しないことの不利益を訴えます。
 購入するまで引き下がらないくらい♪w



これを意中の女性をデートに誘いたい男性
のアプローチを例にイメージしてみます(笑)


Step1.適格性の確認(全労力の1割)
 彼氏がいないか?結婚していないか確認
 フリーと分かれば、この段階をクリア

Step2.ニーズの把握(全労力の2割)
 彼女の食事の好みなどをサラッと
 リサーチします。

Step3.プレゼンテーション(全労力の3割)
 デートに誘います。彼女は紅茶が好き
 だから、私と人気のお店でお茶しませんか?

Step4.クロージング(全労力の4割)
 彼女が難色を示します。

 彼女の心の声
 (確かに紅茶好きだし、
 そのお店も気になるけど
 なんで、あなたと行かなきゃいけないの?)

 誘った男性の対応
 「そのお店、予約待ちだけど、オーナー
  と知り合いだからすぐ入れるよ」
 「そうだ、ケーキもご馳走するよ♪」
 「なんだったら、お土産もどう?」
 としつこく食い下がります。

 でも、彼女は首を縦に振りません。



これはかなり極端ですが、こんな感じです。
昔よくあった、新聞の定期購読の勧誘などは
こんな感じのものが多かったです。

今、定期購読してくれたら、
ティッシュプレゼントします。
なんなら野球のチケットもつけます。
そういう非売品の〇〇があるんですが・・・
もう、私手ぶらで帰れないんです。
お試しだけでも・・・(泣き落とし)



■新しい販売方式(逆三角形)

Step1.関係構築(全労力の4割)
 コンタクトを定期的にもつ。
 信頼される言動を日頃から取る。
 共通点で繋がり、美点凝視でいい人間関係を気付く

Step2.ニーズの把握(全労力の3割)
 相手が本当に困っていること、願っていること
 表面的でない本当のニーズを優先順位含めて知る。
 相手の関心に関心を持ち、ニーズ理解に心を砕く。

Step3.プレゼンテーション(全労力の2割)
 相手の得たい変化(Before→After)にどう貢献
 できるのか?を提案する。
 関連する部分のみ、ポイントを絞ってプレゼン

Step4.クロージング(全労力の1割)
 十分に共感・納得してもらったら、
 背中を軽くポンと教えて上げる。
 無理強いせずに行動の後押しを行う


特に無形商品や高額商品であればあるほど、
こちらの順番でないと買って頂けません。



先ほどのデートに誘う例で創作すると、


Step1.関係構築(全労力の4割)
 共通の場を頻繁に共にする
 彼女に対して紳士的に振る舞う
 同じ趣味や好みの話で盛り上がる
 素敵な点を称賛する
 時に悩みに寄り添って相談のったりしている

Step2.ニーズの把握(全労力の3割)
 彼女が子供の頃から美味しい紅茶とケーキ
 を食べながら、オープンテラス
 お話するのが大好きなこと。
 その時に旅行の話でよく盛り上がっていたこと。
 が分かる。そして最近、忙しくて、
 あまり、そんな時間を持てていない。
 人とゆっくり、あまりお話してないなぁ
 と思っていると分かる。

Step3.プレゼンテーション(全労力の2割)
 彼女の少し余裕あるタイミングに合わせて
 最近できた人気のオープンテラスのお店、
 自分も行ってみたいから、気分転換も兼ねて
 行ってみない?紅茶もフレーバーティー
 含めて20種類あって、紅茶にあうケーキ
 進めてくれるらしいよ♪

Step4.クロージング(全労力の1割)
 ちょうど、オープニングスペシャル
 メニューが今週限定なんだけど、どう?


ちょっと無理やり作りましたが、
これなら「ほんと!じゃあ行こう♪」となりそうです。


営業や販売も同じということですね。


勿論、顧客特性・商品特性によって
アレンジは必要でしょうが、
この4ステップはとてもシンプルだけれど、
とても重要で、とても強力だと思います。