生産性向上、くら寿司に見る徹底

少し前に私の両親が孫たちを、「くら寿し」に
連れて行ってくれました。
うちの子どもが「行きたい!」と言ったからです。

一緒に行きました。

改めて、お客さんと言うより
コンサルタントという視点で見てみると、
「効率化の徹底と、子ども戦略」
のキーワードがでてきました。

まず入り口からです。

コロナ禍の中でドアを触りたくない
というお客様もおられます。

自動ドアにすれば、接触を減らすことが
できます。しかし設備投資にお金がかかります。

私の行った「くら寿司」はドアを押したり引いたり
するドアでしたが、ドアを引くときに、
足で引っ掛けて、足で開けられる金具が
ドアに付けられていました。

あまりお行儀は良くないかもしれませんが、
足でドアを簡単に引き開けることができます。
投資コストは自動ドアの比較になりません。
(この工夫はすぐに真似できます)

店内に入ると、

受付のタッチパネルがあります。
店員ではなくこのタッチパネルで受付をします。
すると「何番テーブルにどうぞ」という表示が出て
QRコード付きのレシートが出てきます。

そして席案内のランプが点灯します。
モニターに案内の矢印が出ます。
私たちは勝手にその席に移動して座ります。

そして回ってきた回転寿司を手に取るか、
またはタッチパネルで注文を出します。

人手ゼロです。

皿は1枚110円の1種類のみで、220円の皿は
皿2枚がひっついて出てきます。
資材の統一化でコストダウンが図られます。

衛生面では皿に蓋が付いており、
食べない人が食品に直接触ったり
飛沫がつかないようになっています。

もともとの仕掛けですが、コロナ禍もあり
安心PRもされていました。
(既にあるものの意味をしっかり伝えなおす)

タッチパネルで注文したものは
通常の回ってくるコンベアとは別の
高速ベルト・コンベアで一気に運ばれてきます。

お客様の待ち時間は減りますし、
他のお客様に触られる衛生面の心配もありません。

寿司を食べると、皿を席毎にある投入口に投入します。
5皿を入れるとモニターでゲームが始まり、
当たりが出るとガチャからおもちゃが出てきます。
これは有名ですね。
ここでも皿の数を数える人件費が削減されています。

さらに子供はガチャのおもちゃが欲しいので
通常よりも頑張って食べます。

親はもしかすると沢山食べてくれるのが嬉しくて
よく連れて行くことになるかもしれません。

家族で食べた枚数が仮に33枚だったとすると、
あと2枚食べてもう一回ゲーム!となります。
アミューズメントを取り入れ
本当によくできた仕組みだと感心します。

さて帰る時です。お勘定も人は来ません。
タッチパネルで「会計」を押し、
そのまま入店時の席案内のQRコード付き
レシートを持って清算場所に移動します。

そのまま無人レジで精算して帰ります。

もちろんイレギュラー対応等(私の場合、
ガチャが詰まって出てこない事故がありました)
に備えて店員の方もおられますが、
本当に必要最小限の人数です。

それでいて子供に楽しませながら、
リーズナブルにお寿司を食べたい家族
は大満足なわけです。

まとめると以下のようになります。

・一工夫で安くドアを非接触に
・受付と席への誘導の一体化と自動化
・個別注文のリードタイム短縮
・皿の統一化と料金計算の効率化
・ガチャで楽しませながらお客様に皿の枚数を数えさせる仕組み
・ガチャにより楽しみ向上と客単価向上
・昔誘導と会計の連動、自動化

徹底的な省力化自動化による
リーズナブルな価格提供と、

子ども狙い撃ちのアミューズメントの
提供が徹底していると感じました。

この対極に、徹底的なおもてなしによる
高付加価値サービスがあります。

極端な言い方をすれば、これからは、

徹底的に属人的な力で勝負するのか?
徹底的に高効率化を進めるのか?

のどちらかいずれかしかないと思います。

また、人によるサービスを武器にする場合であっても、
すべてを人がやるべきとも限りません。

AI・機械にできて、お客様にとって
価値が同じであれば、AIや機械に任せていくべきです。

なんとなく人でやる、なんとなく機械化する
といったことではなく、

お客様はどんな人で何を求めているのか?
を明確に定義した上で、

お客様にとっての価値という観点で、
人でやるのか?AIや機械でやるのか?
きっちりと取捨選択していきたいものです。