リキッド消費時代の事業・サービス開発は?

最近、書籍にて「リキッド消費」なる言葉を知りました。

皆様は聞いたことありますか?
この言葉、イギリスの研究者バーディーとエカート
という人が2017年に提唱した比較的新しい消費の
概念なんです。

リキッド消費の定義は、
「短命で、アクセス・ベースで、脱物質的な消費」
ということのようです。

平たく言えば「モノよりコトの消費」ということ
でしょうか?実際、私たち自身もコト消費が
増えていると思いますし、中小企業の現場でも
無視できないことです。


特徴として、以下のようなことがあります。


  1. 価値が短命

    “長く愛される定番商品”だけでなく、
    “その場限定、今だけ”に魅力を感じる消費者が増えています。

    価値が文脈=“場面ごと”に限定されて、消費者は
    シーンごとに商品やサービスを次々と切り替えます。

    例えば、飲食業で「インスタ映えする限定ドリンク」
    が人気になるのも、短命性に基づく価値観の反映と言えるでしょう。


  2. 所有しないで消費(アクセス・ベース)

    「買って所有する」よりも「必要な時だけ使う」。
    カーシェアやサブスク、民泊など所有の概念が
    薄まったサービスが次々に登場していますね。

    スポット利用のレンタルや試着・試食体験と
    いった短期的な“アクセス消費”型サービスは、
    今後ますます増えていくでしょう。


    3. ものに頼らない(脱物質化)

 

かつては「いつかはクラウン」と言われたように、
「モノ」を持つこと自体がステータスでした。

今は「体験」や「感動」といった非物質的価値が
重要だと感じる人も増加しています。

音楽や映像もメディア・DLから配信ストリーミングへ。
洋服も「買う」より「その日だけ借りる」へ。
体験や感情に訴える企画がより多くの共感を生む時代です。




これらの傾向は、
都市圏の若年層や単身生活者、転職・転勤が
多い層などは柔軟でアクセス優先の消費傾向が
見られやすいといえそうです。

あなたの会社の商品・サービスが対象とする
顧客特性では、どこまでフィットしそうでしょうか?



リキッド消費の本質は、“ものより経験”。
経験価値をどう創るかが、今後の
商品・サービス企画のヒントになります。

・経験としてのインパクトを考える

・経験は“唯一無二”の非代替性「今だけ、ここだけ、あなただけ」

・経験や思い出といった“不滅の価値”訴求


そんなことを考えられるかもしれませんね。

飲食店ならただ食べ物を提供するだけでなく、
「この日のこの時間、あなただけのスペシャル体験」
を演出することで“経験価値”を高められないか?

小売でも購入後にSNSでシェアして楽しめるよう
にできないか?と考えて、消費体験を設計するのがポイント。



いくつか考えてみました。

・“この場限り・この日限り”の限定商品やコラボキャンペーン

・お試し・使い切り・レンタルサブスク型サービス

・来店や購入に付随するデジタルコンテンツの提供

・SNS連携での瞬間的拡散や共感喚起

・定期的な限定イベントの開催

・ワークショップや体験型講座の提供

・ユーザー参加型企画や投票システム


「今楽しみたい」「今だけの経験がしたい」
という現代の消費者心理にフィットしたことを
考えてみましょうということかもしれません。