若手が辞める「不安型転職」とは?

採用・定着し活躍してもらうことの重要性
が日増しに高まっています。

勿論、今までも変わらず重要でした。

ですが、労働人口減少とコロナ禍からの回復、
大企業の採用意欲向上などもあり、
一層顕在化してきました。

景氣と採用は連動しますし、
景氣は「氣」と書くように社会的心情にも
大きく影響されます。

そして、人手不足は、メガトレンドとして
社会全体に浸透してきた共通認識のように
なってきましたので、採用しやすくなるように
なることはそうそうないでしょう。

一方で、転職や多様な働き方はやりやすく
なる一方ですから、

採用・定着・活躍を上手くできる会社と
そうでない会社の差は開いていく一方です。

特に若手の転職は、Z世代で分からないとか
いう方も居ますが、その一括りの考え方が
そもそも間違っています。

最近読んだ本で「不安型転職」なる言葉を知りました。

彼らがなぜ転職を決意するのか?
その背景にある「不安型転職」について、
最近のデータが興味深い洞察を与えてくれます。


従来、「若者が仕事を辞めるのは、仕事が厳しいから」
と思われていた節がありますが、最近の調査では、
実は「仕事がゆるいから辞めたい」と感じる若手が
増えていることが分かっています。

ゆるい職場環境で働きやすいはずなのに、
なぜ若者は離職を考えるのでしょうか?
この矛盾を解き明かすカギが「キャリア不安」。

 

多くの若手社員が
「今の職場で成長できるのだろうか」
「このままで他の職場で通用するスキルが身につくのだろうか」
という不安を抱いているのです。

職場がゆるいということは、成長の機会が奪われ、
将来のキャリアに対する不安を増大させている訳です。


若手社員にとっては、
「このままここにいても、スキルが磨けず、
いずれ転職市場で価値を見失うのではないか」
という焦りが強まっているというのです。


このような「不安型転職」が増えている現状において、
私たち経営者やリーダーが求められるのは、
若手のキャリア不安をいかに解消するかということですね。

「不満」を解消するために部下と飲みに行く、
話を聞いてあげるといった対策では、
この不安は解消しません。

企業内にキャリア開発プログラムを導入し、
若手が自分の将来に向けて明確な道筋を描ける
ようなサポート体制を整えることも重要です。

他には、定期的なキャリア面談を行い、
若手社員の成長を実感させる仕組みを作ることや、
外部のプロジェクトや副業への参加を奨励し、
自社以外での経験を通じてスキルを向上させる
環境を提供することも考えられます。


「不安型転職」解消のために、経営者が
「キャリア不安を解消する組織作り」を意識し、
積極的に若手の成長を支援する姿勢が不可欠。

意欲ある若手社員が
「ここで働いていても安心だ」と感じられる
ような職場環境を共に作り上げましょう。