あなたの会社では「さん付け」? それとも「肩書き」?
最近のニュースによると
大阪・関西万博に出展する海外パビリオン関係者との
やり取りのなかで、日本独自の「SAN(さん)付け」文化が
注目されているようです。
「さん付け」は、一定の敬意を示しながらも、
性別や肩書を問わず使えるため、
非常に実用的だというものです。
なるほど
「さん付け」は 日本ならではだったんですね!
ところで
皆さんの会社ではどのような呼称を採用していますか?
社員同士の呼び方は「さん付け」でしょうか?
それとも肩書を付けて呼んでいますか?
それとも自然な流れに任せている?
「さん付け」について考えると、
私は今から約30年前のことを思い出します。
当時、私の会社では社内通達により、社員同士が呼び合う際に
「役職名での呼称を廃止し、代わりに「さん付け」を
採用するという方針を決定しました。
これは、役職そのものを廃止したわけではなく
あくまでも社員同士が呼び合う際のルールとして導入されたもので
その目的は、次のようなものでした
・組織のフラット化
・風通しの良い職場環境の実現
・心理的な距離を縮めることで協力体制を構築
導入当初は、社員同士「さん付け」で
呼び合うことに照れくささを感じたり、社長を紹介する場面で
肩書を省略して「〇〇さん、ご登壇ください」という
表現に違和感を覚えたりしました。
また、浸透するまで、しばらく時間がかかった記憶があります。
今一度、改めて調べると「さん付け」にはさまざまなメリットが
あるようです。
・心理的安全性の向上:
役職に関係なくフラットな関係を築くことで、
社員が意見を言いやすくなる。
⇒イノベーションの促進
・離職率の低下
若手社員が上司との距離を感じにくくなり、
職場への定着率が向上
⇒オープンコミュニケーションの促進
・社外との関係構築
取引先とのコミュニケーションにおいても
フレンドリーな印象を与え、関係構築がスムーズ
⇒信頼関係の構築
・ 組織の柔軟性向上と文化醸成。
お互いの意見を尊重し合う環境、
変化への適応力の強化
⇒チームの結束力が高まり、創造的な職場へ
このようメリットを考えると
1990年代に大手企業がこぞって
「さん付け」を導入したのも納得できます。
とはいえ、今現在の導入企業はそれほど多くなく、
調査によると「さん付け」採用企業は55%、
「肩書き呼び」の企業は45%と、
意外と肩書きを用いる企業も少なくありません。
【職場での呼称を再考する】
「さん付け」文化が職場内のコミュニケーションを
円滑にし、組織の柔軟性を高めますが、
一方で企業文化、経営方針に対して適切かどうか、
見直す動きもあります。
現在においても、肩書きを重視する企業も存在しますし、
どちらが正しいというわけでもないと思われます。
また、肩書きで呼ばない「さん付け文化」が企業を衰退させた
などとまで言われる意見も聞かれます。
皆さんの会社ではどうでしょうか?
企業文化に密接にかかわる「呼称」のあり方を今一度再考し、
あらためて 自社に最適な形を模索することも
有意義な取り組みかもしれません