あなたの会社での「呼び方は」? ニックネームはあり?
企業文化と呼び方の関係
先週のブログで
「あなたの会社では『さん付け』?それとも『肩書き』?」という
テーマで投稿しました。
実はその時に書けなかったエピソードとして
下記のような、さまざまなケースがあります。
例えば、
ある友人の会社では7年前に「さん付け」のルールが
導入されましたが、2~3年で立ち消えになったのですが、
その目的を理解し、彼自身は今も愚直に「さん付け」を
続けているそうです。
別の友人は、今年の4月に着任した室長が
「私のことを『〇〇室長ではなく、〇〇さん』と呼んでください」
着任挨拶で述べたことで、職場全体が「さん付け」へと
変化したとのこと。
さらに、知り合いの会社ではニックネームで呼び合う
文化があり、それが20年も続いているという話も聞きました。
「さん付け」によるフラットな関係をさらに進めて、
よりフレンドリーな雰囲気を作るためにニックネームを
導入している企業も意外と多いようです。
昭和の刑事ドラマとニックネーム文化
ニックネームの話を聞いた時、私は昭和の刑事ドラマを
思い出しました。
『太陽にほえろ』や『西部警察』では、
刑事同士がニックネームで呼び合い、
強いチームワーク、フレンドリー感を演出していました。
それを見て 一種の憧れもあったと記憶しています。
また、『探偵物語』では、主人公が「くどーちゃん」と
呼ばれ、親しみやすさが表現されていました。
こうしたニックネーム文化は、組織力・チーム力を醸成し、
メンバーの距離を縮める効果があったと思われます。
企業文化と「呼び方」の変化
しかし、時代は変わりました。
1990年代のセクハラ防止法ガイドラインでは、
「ちゃん付け」が誤解を生む可能性があるとして
職場内外での使用を制限。
私自身も人事担当者として、社員向けの資料に
「ちゃん付けはNG」と記載し、説明した記憶があります。
どんな呼び方も、受け取り方は人それぞれ。
敬称のつもりでも、
相手にとっては不快に感じることもあるからです。
また、いじめ防止対策推進法やそのガイドラインの影響で、
小学校では「あだ名禁止」の校則を導入する学校が増えています。
あだ名が本人にとって嫌な記憶になったり、
いじめにつながる可能性があるためです。
このように、「呼び方」
職場でも、相手への配慮がより重要になってきています。
企業にとっての呼称は何がベストなのか?
このテーマにはさまざまな議論があると思われます。
しかし、結局は 企業理念やビジョンに基づく経営戦略
(その中の人事戦略・人材像) によって決まるもの。
企業文化や企業風土に大きく影響されるため、
単純に「何が正しいか?」を議論するのはナンセンスかも
しれません。
とはいえ、「さん付け」「肩書」「ニックネーム」など、
企業が試行錯誤しながら工夫していることは、
実に興味深いものです。
「ニックネーム申告制」というユニークな制度
そうそう、大事な話を忘れていました。
ニックネーム文化がある知り合いの会社では、
社員が 自分自身でニックネームを申告 するそうです。
入社時に申告し、社員証には 本名とニックネーム の
両方が記載。
しかも、会長や社長も自らニックネームを申告しているのだとか!
この仕組み、なんだかとても アットホーム で素敵ですよね。
あなたの会社では、どんな呼び方の文化が根付いていますか?