まだ、こんな会社あったんだ!~「当たり前」を疑ってみる~
今日は、私が最近耳にした、「まだ、こんな会社があったんだ!」
と思ったエピソードをもとに、私たちの職場にある
「当たり前」について、一緒に考えてみたいと思います。
もしかしたら、あなたの会社でも
大なり小なり似たようなことが起きているかもしれません。
■私が聞いたエピソード
先日、ある女性社員Aさんから聞いた話です。
Aさんが勤める会社では、給湯器の水の追加は
女性社員がやると決まっていたそうです。
Aさん自身は「大した仕事ではないし、できる人がやればいい」
という感覚で、特に気にせずにいたそうです。
その会社では、それが「当たり前」だったからです。
ところが先日、別の女性社員Bさんが部長に対して
「それっておかしいのでは?」
と声を上げたそうです。
その時、部長が返した言葉は何だったと思いますか?
「嫌なら辞めろ」
Aさんもさすがに「びっくりした」と話してくれました。
私「まだ、こんな会社があったんだ!」と驚きました。
時代のズレ感がすごいですし、
これは明らかなハラスメントです。
このエピソードには、二重の問題が潜んでいます。
まず、「給湯器の水換えは女性の仕事」という決まり事。
これは性別によって役割を固定する考え方で、
現代においては性差別と受け取られる可能性があります。
直接的な性的嫌がらせがなくとも、このような性別による
不当な扱いは、セクシュアルハラスメントの一種と
見なされることがあると考えます。
そして何より深刻なのは、
部下からの妥当な意見に対して「嫌なら辞めろ」
と返した部長の対応です。
これは典型的なパワーハラスメントです。
権力を背景に威圧し、退職を迫るような発言は、
社員の人格を否定し、職場の心理的安全性を著しく損ないますね。
このような環境では、社員は安心して意見を言えなくなり、
結果として会社の成長に必要な「気づき」や「改善提案」
が失われてしまいます。
人によっては、こんな会社ではやってられない!
と本当に退職してしまうかもしれません。
これは大変な損失でもあります。
■「当たり前」の怖さ
このエピソードで最も考えさせられるのは、
長年続いてきた慣習が「当たり前」として
受け入れられていたことです。
Aさんも最初はさほど気にしていなかったと話していました。
私たちの職場にも、同じような「当たり前」
が潜んでいないでしょうか?
「昔からこうだった」「みんなやっているから」という理由で、
時代にそぐわない慣習が知らず知らずのうちに定着していないでし
特に経営者や管理職の立場になると、
「自分が若い頃はこうだった」「うちの会社の伝統だから」など、
自分の経験則が”正しい”
でも、その”当たり前”が、実は部下にとっては
「納得できない」「理不尽だ」
■「会社の当たり前」を疑ってみませんか?
今回のような出来事が起きたとき、
「昔からこうだから」と片付けるのは簡単です。
でも、その一歩先に進むためには、
「なぜこれが当たり前なんだろう?」
「本当に今の時代に合っているんだろうか?」
と立ち止まって考えてみることも大切でではないでしょうか?
例えば、給湯器の水を追加する仕事も、
「男女関係なく、手が空いている人がやる」
「当番制にしてみる」
「自動給水機を導入する」
など、見直しの方法はいくらでもありますね。
大切なのは、社員一人ひとりが「自分は大切にされている」
と感じられる職場であること。
そして、誰もが安心して意見を言い合える雰囲気づくりです。
最後に
私たち経営者やリーダーの一言や態度は、
職場の空気を大きく左右します。
「嫌なら辞めろ」という言葉は、たった一度であっても、
社員の信頼を大きく傷つけてしまいます。
そうではなく、「どうしてそう思うの?」
「みんなはどう考えている?」と、
まずは話を聞く姿勢を持つだけでも、
ぜひ、この機会にご自身の会社の「当たり前」を、
一度見直してみてはいかがでしょうか。
小さな気づきや変化が、組織の未来を
大きく変えるきっかけになるかもしれません。
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