反論を正論で論破する?それとも・・・?
人が元来、変化を嫌う生き物です。
ホモサピエンスは恒温動物なので、
生体的に、暑いと汗をかいて体温を
さげようとしたりします。
心理的にも、そのような傾向があるようです。
心理学では「一貫性の法則」というのがあります。
則ち、自らの行動や発言、態度、信念などに対して
一貫したものとしたいという心理状態のことです。
都度ゼロから意思決定するのは大変ですし、
方向性を変えるのは労力がいるから、
動物的にも省エネするのは理に適っています。
また、一貫性がない人間、理知的でないと
思われることへの恐怖もあると思います。
やっかいなのは、無意識下(自覚的でなく)
このような状態に人はいるということです。
結果として、
自分の発言や行動を人から正されようとすると・・・
一貫性の法則もあいまって、
反発したくなります。
または実際に反発します。
Aさん:〇〇を××にしたら、もっといいと思う。
Bさん:でも、***だから
Aさん:〇〇はちょっと違うと思う。
Bさん:そんなことない!
Aさんのアドバイスやフィードバックは、
Bさんのためを思っていってくれているとしても、
このようなやりとりや心の動きになったりする
ことも多いのではないでしょうか?
仮にAさんのフィードバックが
Bさんにとって有意義だったとして、
Bさんがそれを受け取れずに反発すると、
Aさんにも一貫性の法則が発動。
そして、今後はBさんにフィードバックしたり
アドバイスするのは辞めよう!となってしまいますね。
すると長い目でみてBさんは損します。
Bさんは今後の成長機会を逸するし、
AさんとBさんの人間関係も冷えたものになるでしょう。
Bさんには、「築いてきたものを壊されるのではないか?」
「私が否定されているのでは?」
「私を変えようとされているのではないか?」
という恐怖があると、こういうことが起きます。
そこでオススメです。
私達がまずやるべきことは、「感謝を伝える」
ことにしませんか?
AさんにはAさんの考えがあったり、
善意で言ってくれていると考えて、、、
「Aさん、ありがとうございます!
そうやって、見守ってくださっているんですね。
ご意見ありがとうございます。もっと教えてください。」
という反応に変えてみてはどうでしょうか?
Aさん、嬉しいはずです。
仮にAさんのフィードバックがズレていても、
今後、有用なフィードバックをしてくれるかもしれません。
今回どうするか?は、感謝を伝えた上で、
Bさんが判断すればいいことです。
Bさんは、ますます人からフィードバックが
もらえる成長体質・成長環境になります。
相手との関係もよりよいものになるでしょう。
正論で反論しても、あまり意味がないどころか、
有害だったりすることが多いです。
そもそも、その正論も自分にとっての
正論なだけなケースも多いですよね。
目先の正論や論理の正しさのような
表面的・短絡的なものに囚われすぎず、
大きな目的・長期的な成果を見据えた
コミュニケーションをしていきたいですね。