守りすぎると組織(人)は弱くなるのか

チームSKM 吉田です。

先日、池上彰さんの番組でアイスランドの街が
紹介されていました。

極寒の中、商店街の店先にベビーカーが置かれ、
その中には赤ちゃんが乗ったまま。


日本の感覚では思わず「大丈夫?」と
感じる光景です。

しかし、アイスランドではこれが日常。

<なぜ外にベビーカーを置くのか>

理由を聞いて、私は納得しました。


「寒さに順応できる身体をつくるため。
過保護にしないほうが、子どもは強く育つ」


極寒の国だからこそ、環境に適応する力を
小さな頃から育てる。


これは文化の違いではなく、「人を育てる考え方」 の違いです。


実際、2025年の 世界平和度指数(Global Peace Index) では、
アイスランドは 19年連続で世界1位。

治安・社会的信頼・コミュニティの強さが
世界最高レベルで、

「外にベビーカーを置ける社会」が
成立する背景があります。

(ちなみに、同ランキングで日本は
163カ国中12位 とされています。)



<30年前の企業内保育園での出来事>

この話を聞いて、私は昔勤めていた会社の
企業内保育園での出来事を思い出しました。


構内の安全点検で、保育園の園庭(運動場)を
巡視していたとき、


安全担当者が砂場近くに落ちていた小石を見つけ、
「子どもがつまずく危険がある。
すぐに取り除いてください」と指摘しました。


しかし、園長先生は静かにこう言いました。

「ここは“非日常の安全空間”ではありません。
 日常と同じように、多少の危険がある環境でこそ、
 子どもは学びます。」


これは「危険を放置する言い訳」ではありません。

「危険をゼロにすることが安全ではない」

という教育者としての確固たる信念でした。


だからこそ、あの言葉は30年経った
今も忘れられないのだと思います。


人は、守られすぎると弱くなる。

適度なリスクの中でこそ、判断力や耐性が育つのです。


<遊具の変化 危険を排除しすぎた社会>

思い返せば、私たちが子どもの頃に遊んだ公園には、

ブランコ、回転遊具、ジャングルジム、シーソー・・・
今では姿を消した遊具がたくさんありました。


2000年代以降、遊具の撤去が進んだ背景には、

JIS(日本産業規格)の安全基準改定 があります。

 2002年:転落防止・衝突防止の基準強化

 2014年:指詰まり・巻き込み防止の厳格化


基準を満たさない遊具は更新より撤去が選ばれ、

結果として「危険のない公園」が増えました。


もちろん、重大事故を防ぐための改善は必要です。


しかし、危険をすべて排除した環境で育った子どもは、
「危険を察知する力」を身につける機会を奪われてしまう。


これは、企業組織にもそのまま当てはまります。



<過保護な組織は、社員の“耐性”を奪う>

・失敗させないように、上司が先回りして指示する

・クレームを恐れて、現場の裁量を奪う

・トラブル回避のために、新しい挑戦を避ける


一見「優しい組織」に見えますが、

実は社員の成長機会を奪い、組織全体の耐性を弱めます。


アイスランドの赤ちゃんが寒さに慣れるように、
小石のある園庭で子どもがバランス感覚を育てるように、
人は適度な負荷の中でしか強くなれません。



<リーダーに必要なのは「守ること」ではなく「育てる環境」>


・小さな失敗は許容する

・判断の余白を渡す

・経験から学ぶ文化をつくる

・挑戦した人を責めない


これらはすべて、社員の「耐性」を
育てるための環境づくりです。



<まとめ:環境が人を育てる。過保護は組織を弱くする。>

アイスランドのベビーカーも、

園長先生の言葉も、

遊具が消えていった歴史も、

すべて一つの本質を示しています。

「守りすぎると、人は弱くなる」

「適度なリスクと挑戦の中で、人も組織も強くなる」


では、あなたの組織ではどうでしょうか?

守ることを意識しすぎて、挑戦や成長の機会を
奪っていないでしょうか。

是非、この機会に考えてみてください。



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