何歳になっても人は期待されたい生きもの

チームSKM 上村です。


先日、中年期以降のキャリアについての動画を
複数人で見る勉強会をしていました。

40代、50代、60代と年齢を重ねていく中で、
人はどのように仕事と向き合っていくのか。

その中で、改めてそうだよなと思ったのが、
「人は、周囲から期待された方向に変わっていく」
という話でした。

 

期待すると、本当に成績が上がる?

心理学には「ピグマリオン効果」と呼ばれるものがあります。

 

有名なのが、学校で行われた実験です。
教師に対して、
「この子たちは、これから成績が伸びる可能性が高い生徒です」
と伝えます。


実際には、その生徒たちは特別な能力があるから選ばれたわけではありません
それでも、その後、本当にその子たちの成績が伸びる傾向が見られました。


「この子は伸びる」


そう思っていると、教師の関わり方も無意識に変わります。

 

声をかける。
少し難しいことにも挑戦させる。
できたことを認める。


そうした関わりから本人にも、


「自分は期待されている」
「自分ならできるかもしれない」


という感覚が生まれてくる。

 

逆に、

「この人には無理だろう」

「もう伸びないだろう」

という低い期待が、相手のパフォーマンスを下げる現象は「ゴーレム効果」と呼ばれます。

 

そして、
「こうなるだろう」と思って接することで、本当にその結果を生み出してしまう。


これが「自己成就予言」という言葉でこの動画の中で語られていました。

 

高校時代の担任を思い出した

この話を聞きながら、高校時代の担任を思い出しました。

 

勉強のできる生徒には、

「お前ならできる」

「もっといける」

と褒めたり期待したりする。


一方で、できない生徒には厳しい言葉が多い。
まあ、当たり前っちゃ当たり前なのかもしれません(笑)

できている人を褒め、
できていない人には改善を求める。

間違っているわけではありません。


でも今振り返ると思います。


できていない生徒にこそ、
厳しい言葉と一緒に「期待」「応援」「信じる心」があったら、
どうだったんだろう。


「今はできていない。でも、お前ならできると思っている」


そんな一言があるだけでも、受け取り方は
ずいぶん違ったんじゃないでしょうか。


まぁ、私は怒られるのは嫌ともいうのもあり、
勉強は頑張っていた学生だったので
怒られることはほぼなかったですが…(笑)

 

振り返れば、私自身も「期待」で伸ばしてもらった

そして、この話を自分自身に置き換えてみると、
自分が成長したときには、期待してくれた人がいたな
と思います。


学生時代のアルバイトでは、店長が私をリーダーに任命してくれました。
会社員時代、調達部にいた頃には、上司が私の役職を引き上げてくれました。


もちろん、役割や役職を与えてもらったこと自体もうれしかった。


でも、今でも残っているのは、肩書き以上に、
「お前だから、この仕事ができると思ってる」
という言葉です。


これを言われると、頑張ろうと思うんですよね。


「そこまで言ってくれるなら、期待に応えたい」
「自分が気づいていない何かを、この人は見てくれているのかもしれない」

 

そんな気持ちになる。

 

期待というのは、
単に役割を与えることではないのだと思います。


「私はあなたの可能性をこう見ている」


と本人に伝えること。


これも、とても大切なのではないでしょうか。

 

ただし、「任せる」と「ほったらかす」は違う

一方で、期待して仕事を任せれば、それでいいわけでもありません。

「期待しているから、あとはよろしく!」

だけでは、場合によってはプレッシャーになります。


「任された」というより、
「放っておかれた」


と感じることもあります。

 

私自身、ありがたかった上司を振り返ると、
仕事を任せて終わりではありませんでした。


時々声をかけてくれる。
状況を聞いてくれる。
一緒にご飯を食べに行く。
そこで仕事の話だけではなく、いろんな話をする。


そういう時間がありました。

 

だから、

期待することと、対話することはセット

なのだと思います。


任せる→見守る→必要なときには支える。


そして、また任せる。

 

このバランスが、
「期待されている」という実感につながっていくのではないでしょうか。

 

これは、ミドル・シニアにも同じではないか

今回の勉強会では、特に年齢を重ねた社員への関わりについて考えさせられました。


例えば50代、60代の社員に、


「これからは若い人を育ててください」
「後進に道を譲ってください」
「これまでの経験を次の世代に伝えてください」


と伝える。

 

もちろん、どれも大切です。


でも、それだけを伝え続けると、

「もうあなた自身が第一線で活躍することは期待していません」

というメッセージにもなりかねません。

 

すると、

「もう新しいことをしなくてもいいか」
「若い人に任せておこう」
「言われたことだけやっておこう」

となっていく。

 

そして会社側が、

「やっぱり年齢を重ねると、新しいことに挑戦しなくなるな」

と思ってしまう。


だとしたら、それは会社自身がつくった自己成就予言なのかもしれません。

 

年齢とともに「期待をなくす」のではなく「期待を変える」

後進を育ててほしい。
経験を伝えてほしい。
次の世代に譲ってほしい。

それと同時に、

「でも、あなた自身にもまだまだ期待しています」

と伝える。


例えば、

「これまでの経験を活かして、このプロジェクトを任せたい」
「若手育成だけではなく、あなた自身にも新しいことに挑戦してほしい」
「この課題は、あなたの経験があるから解決できると思っている」

と伝える。


年齢を重ねたから期待を小さくするのではなく、
期待の「種類」を変える。


これは、とても大切なマネジメントなのではないかと思います。

 

人は、何歳になっても「期待される存在」

若手には期待する。
中堅にも期待する。
そして、50代、60代になっても期待する。


もちろん期待の中身は変わっていきます。


でも、

「あなたには、もう期待していません」

というメッセージだけは、
知らず知らずのうちに送らないようにしたい。

 

私自身を振り返っても、
「お前だからできると思ってる」


そう言ってくれた人のもとでは、
もう少し頑張ってみようと思えました。


だから人を育てるというのは、
できていないことを指摘することだけでも、
仕事を任せることだけでもなく、
その人のまだ見えていない可能性を信じ、
それを言葉にして伝え、そして関わり続けること。


なのだと思います。

 

皆さんの会社では、
年齢を重ねた社員にどんな「期待」を伝えていますか?


そしてその期待は、
本人にもちゃんと伝わっているでしょうか?

 

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