理念と覚悟と共に生きているか?

チームSKM 上村です。

 

私は今回、長坂養蜂場様への4回目の訪問でした。

そして、この3日間を通して強く感じたことがあります。

それは「理念と共に生きる」こと。
そして「覚悟を持って関わる」こと。

最終日は、前回お伝えした「ぬくもり朝礼」の体験から始まりました。

その後も、とても深い時間が続きました。

そこで改めて感じたのが、
長坂養蜂場様では、常に「理念」が判断基準になっている
ということでした。

 

「長坂養蜂場が、この研修をする意味は何だろう?」

今年から、新たな取り組みが始まっています。

3年目~5年目の社員の皆さんが、
1~2年目の若手社員向けに研修をデザインするというものです。

例えば、
「長坂養蜂場の接客とはどういうものか」
「長坂養蜂場らしいメールとはどういうものか」

といった、単なるビジネススキルではなく、
長坂養蜂場様ならではの「あり方」や「やり方」を、
若手社員が若手社員に伝えていきます。

 

その中で、3年目の社員の方が「メール研修」をデザインしました。

その研修案を見た7年目の社員の方は、少し違和感を覚えたそうです。

少しテクニックに寄り過ぎている。
ビジネススキルに寄り過ぎている。

もちろん、3年目の彼にも、きちんと考えがありました。

「まず基本の型を知らなければ、その先の応用はできない。
 だからこそ、最初は基本的で汎用的な部分を学ぶことも大切だ」

という考えです。


決して何も考えずに作った研修ではありません。

ただ、7年目の社員の方は、
「それなら、長坂養蜂場がこの研修をする意味はないのでは?」
と感じました。

とはいえ「こうした方がいいよ」
と、すぐに答えを教えることはしませんでした。

まず「どうして、こうしようと思ったの?」と尋ねたそうです。


彼の考えを聞いた上で、
「どういう言葉で伝えれば、彼に届くだろう」
と考えた。


そして、
「長坂養蜂場として、この研修をすることに意味があるんだよ。
 君がするから、この研修に意味がある。
 この内容だったら、うちじゃなくても外部の研修に行けば学べると思うよ」

という趣旨のことを伝えました。


彼は「分かりました」と答えたそうです。

しかし、その表情や声のトーンからは、
まだ十分に納得していないように感じたそうです。

 

時には、傷つけるかもしれない覚悟を持って伝える

7年目の社員の方は、
その時のことを振り返って、
こんな話をしてくださいました。

「正直、何が正解か、どの言葉が相手に刺さるか、こちらも手探りです。
 時には相手を傷つけてしまうくらいの覚悟で言わないといけないこともあります。
 でも、傷つけて終わりではなくて、その後、別の機会に発表してくれた時、
 本当に内容が良くなっていてて。その時には素直に賞賛と感謝を伝えました」

この話を聞いた時、
長坂養蜂場様が掲げる、

「強く、優しく、たくましく」

という考え方が、まさに実践されていると感じました。

7年目の彼女は、
「長坂養蜂場として追究すべき研修は、他にあるはずだ」
と信じた。

そして、3年目の彼ならそこに気づけると信じて、伝えた。

もしかすると傷つけるかもしれない。
嫌われるかもしれない。

それでも、理念のために。
仲間の成長のために。
お客様のために。

理念に照らして、必要だと思うことを伝えた。

そして、もちろん伝えて終わりではありません。
その後の彼の成長を見つけた時には、しっかりと賞賛し、感謝を伝える。

 

どうして、ここまでできるのでしょうか。


私は常に「理念」が判断基準になっているから
なのだと思いました。


そして、その理念の中に、
仲間に対する愛と関心
が含まれているからです。

「これを言ったら、自分が嫌われるかもしれない」

という、自分に向いた矢印ではない。

矢印は、仲間に向いている。
そして、理念に向いている。

だからこそ、覚悟を持って伝えることができる。

とても素敵なエピソードだと感じました。

 

「一番嬉しかったことは?」――彼が答えたのは「今」

この日は、それだけでは終わりませんでした。
その後も、素敵なドラマが待っていました。

最後に、私から若手社員の皆さんに一つ質問をさせていただきました。

「この会社に入って、一番嬉しかったことは何ですか?そして、それはなぜですか?」


この質問をしたのには、理由があります。

これだけ素敵な物語がたくさんある会社の中で、
彼ら、彼女たちにとって、一番心に残っている物語は何なのか。
そして、その出来事がなぜ起こったのか。

そこを聞くことで、この会社の風土の根っこにあるものが、
さらに見えてくるのではないかと思ったからです。

その質問に、3年目の彼が答えてくれました。

彼の答えは、

「今です」

でした。


大人の皆さんが、こうして時間をつくって会社まで来てくれていることへの感謝。
自分の成長を信じて、社長がこの場をつくってくれたこと。
その日の朝礼で、上司から自分の成長について温かい言葉をかけてもらったこと。
そして朝礼で後輩から「先輩の背中を見ています」という言葉をもらったこと。

彼は「本当に素敵な2日間を過ごしている」と話してくれました。


入社して3年。

その中で一番嬉しかったこととして、
「今日、この日」
を挙げてくれたのです。


正直に言うと、その時の私は、
「この場の雰囲気に少し感化されて、リップサービス的な部分もあるのかな」
と、ほんの少し思っていました。

しかし、それが違ったことが、この後分かります。

 

「うちの会社と、働いている人たちを知ってくれたことが嬉しい」

今回の企画運営を中心になって進めてくれた、
その3年目の彼から、最後に2日間の感想を話してもらいました。

彼は、

「今感じていることを素直に話させていただくと、
 うちの会社を知っていただいたことが、まずありがたくて。

 自分が社長や先輩から教えていただいたことが、
 自分が考えるきっかけになって、それを形にして、
 皆さんが楽しんでくれたことが何より嬉しくて。

 そして何より、皆さんがうちの会社と、
 働いている人たちを知ってくれたことが嬉しいです」


という趣旨のことを、涙ながらに語ってくれました。

 

彼の言葉には、いつも「仲間」がいました。
そして、そこには「感謝」がありました。

それはこの言葉だけでなく、三日間ずっとありました。
いや、三日間だけでなく、日々彼はこの言葉を常に言っているのでしょう。

仕事をしていて、嬉し泣きをする体験がどれだけあるでしょうか。

仲間のことを思って、涙を流せる体験がどれだけあるでしょうか。


でも、それが生まれたのは、
先輩が本気で向き合ってくれたから。

後輩が自分の背中を見てくれていたから。
社長が自分の可能性を信じ、場をつくってくれたから。

そして、その関わりの原点には、
皆が大切にしている「理念」がある。
彼の涙を見ながら、そのことを深く感じました。

 

私は「全ての因は我にあり」で考えている“つもり”だった

そして、この3日間を通して、私自身にも大きな問いが残りました。

2日目の懇親会で、社長にこんな話をしました。

「今回、本当に連れてきたい仲間がいました。
 予定が合わなかったり、ご本人にも色々な思いがあって、
 それは叶いませんでした。

 でも、引きずってでも連れてくるくらいの気持ちが
 必要だったのかもしれません。
 自分の想いが足りなかったと思っています」

長坂養蜂場様で大切にされている
「全ての因は我にあり」
という考え方。

私自身も学ばせていただき、実践している”つもり”でした。

すると社長から、

「その会社の経営者の皆さんも覚悟を持つことが大事ですし、
 上村さんも覚悟を持って関わることが大事ですね」

という趣旨の言葉をいただきました。

まさに、その通りだと思いました。

 

そして、その「覚悟」という言葉を、それから考えていました。

そこで気づいたのです。

私は、
「全ての因は我にあり」で考えている“つもり”だった。

でも、まだ矢印は相手に向いていたのではないか、と。

「どうしたら来てもらえただろう」
「どうしたら、この会社の良さを分かってもらえるだろう」
「どうしたら相手が変わってくれるだろう」

もちろん、それも大切な問いです。


でも、その前に問うべきことがありました。

「自分は、どう変わるのか?」

という問いです。

 

人を変える前に、自分の「あり方」を問う

私はこれまで、
「どうすれば理念が浸透するのか」
「どうすれば社員の皆さんが変わるのか」
「どうすれば、もっと良い会社になるのか」
ということを考えながら、研修やコンサルティングをしてきました。


でも、本当に問われているのは、

「その会社を良くしたいと言っている自分自身が、
 どれだけ本気でその会社と向き合っているのか」


なのだと思います。


先ほど紹介した7年目の社員の方も、
同じだったのではないでしょうか。

3年目の彼を「変えよう」として、
正解を教えたわけではありません。

まず「なぜ、そう考えたの?」
と相手の考えを知ろうとした。


その上で
「長坂養蜂場として、この研修をする意味は何なのか」
を問い続けた。


嫌われるかもしれない。
傷つけるかもしれない。

それでも、理念のために。
仲間の成長のために。

必要だと思うことを伝えた。


そして、伝えて終わりではなく、
その後の成長を見つけた時には賞賛と感謝を伝えた。

ここにも、「覚悟」がありました。


覚悟とは、強い言葉を言うことではない。
相手を無理やり変えることでもない。

自分自身が理念に照らしてどうあるのかを問い続け、
その人の可能性を信じて、最後まで関わること。

私は今回、そんなことを教えてもらった気がします。

 

「理念と共に生きる」とは

長坂養蜂場様を訪問するのは、今回で4回目でした。

それでも、行くたびに新しい景色が見えます。
もちろん、長坂養蜂場様自身が日々進化し、
新しい取り組みを続けているからでもあります。

でも、それだけではない気がします。
一つひとつの出来事を見る
私自身の視点が少しずつ変わっているからなのかもしれません。

今回の3日間で、私が一番強く感じたのは、
「理念と共に生きる」
ということでした。

何かを決める時。
誰かに言葉をかける時。
仲間に違和感を感じた時。
誰かの成長を感じた時。

嬉しい時も、苦しい時も。
常に理念に立ち返る。

そして、もう一つ。
そこまで人と会社に関わる覚悟を、自分は持っているのか。
という問いです。

私は「理念浸透」を支援する仕事をしています。

でも、理念をつくって終わりではない。
理念研修をして終わりでもない。
その理念が、一人ひとりの日々の判断や行動の中で生きる。

そして、いつの日か、
「この会社で働けて幸せです」
と、涙を流しながら語る人が生まれる。

そんなところまで、会社と人の物語に関わっていきたい。

そのために、まず私自身が変わり続ける。
もっと会社を好きになる。
もっと、そこで働く人を知る。
もっと本気で関わる。
必要な時には、嫌われることを恐れずに伝える。
そして最後まで、その人の可能性を信じて関わる。

今回の長坂養蜂場様での3日間を通して、
そんな会社を増やす仕事がしたい。
その想いと覚悟が、以前よりもずっと強くなりました。

 

どんな覚悟で人と関わりますか? 

最後に、皆さんにも問いかけてみたいと思います。

皆さんの会社では、理念は本当に日々の「判断基準」になっているでしょうか。

「私たちの理念に照らすと、どうすることが正しいだろう?」

そんな問いが、日常の中で交わされているでしょうか。

 

そしてもう一つ。

皆さんは、仲間の可能性を信じて、
本気で関わる覚悟を持てているでしょうか。


嫌われたくない。
傷つけたくない。
波風を立てたくない。


そんな気持ちから、本当は伝えるべきことを
飲み込んでしまうこともあるかもしれません。


でも、その時に矢印はどこへ向いているでしょうか。


自分でしょうか。
相手でしょうか。
それとも、自分たちが大切にすると決めた理念でしょうか。


そして、相手に変わってほしいと思った時こそ、
「その前に、自分はどう変わるのか?」
と問えているでしょうか。


理念を掲げることと、理念と共に生きることは違います。


理念と共に生きるとは、
日々の小さな判断や、
人との関わりの中で、
その言葉と照らし合わせて
考えて、選び続けることなのだと思います。

 

皆さんは、理念と共に生きていますか。

 

そして、

 

どんな覚悟を持って、関わっていきますか。


これは私にとっても常にかけ続ける”問い”でもあります。


ぜひとも共に成長して、
長坂養蜂場様のようなぬくもりと愛に
溢れる会社を増やしていきましょう!


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