心の田を耕しあう仕事と経営

チームSKM 佐々木千博です。


昨日、自主上映映画「二宮金次郎」を中小企業診断士の
古くからの友人が自主上映・主催してくれたので、見てきました。

二宮尊徳のこの映画、
「至誠にして動かざる者は、未だこれあらざるなり」
と、艱難辛苦に遭いつつも、村民の心の田を耕して、
桜町領を10年にして見事に復興する物語が中心です。

最後の方で、ひどい目に遭わせられた
地方役員の豊田正作に、後日ふと再会し、

「人を信じるな!と昔教わった。
 しかし、不動明王の炎にそれを焼きすてることができた。
 あなたのおかげだ!あなたを信じます」

という旨の言葉を伝える金次郎(尊徳)の美しさ。


書籍その他で、情報としては知っていましたが、
長坂養蜂場ベンチマーク、その後すぐの整骨院様の
ベンチマーク参加等を経て間を置かずに視聴したことで
より深く刺さってきました。

自分自身を振り返り、十分に地に足がついていない
ことがたくさんあるのでは?と感じました。


■目に見えない根、地下水脈を観る

今回の長坂養蜂場のベンチマークを振り返ると、
改めて感じることがあります。


それは、長坂養蜂場の素晴らしさは、
何か特別な「やり方」にあるのではない、ということです。


ぬくもり朝礼。

微差皆善。

ぬくもりストーリー。

プロジェクト活動。

皆で対話する時間。

仲間の良いところを見つけ、称え合う文化。

 

一つひとつを取り出せば、
「なるほど、うちでもやってみよう」
と思える仕組みはたくさんあります。


でも、表面に見えているものだけを真似しても、
おそらく同じ会社にはならない。

 

今回、チームSKMのメンバーが
それぞれの視点から連載を書いてくれましたが、
全体を通して浮かび上がってきたのは、
その仕組みの「地下」にあるものだったように思います。


池原さんが書いてくれたように、
長坂養蜂場には、理念ができるずっと前から、
「相手を思いやる」という道徳心の水脈が流れていました。


■積小為大

そこに、

「ぬくもりある会社をつくりましょう
 ~強く 優しく 逞しく~」

という理念が言葉となって加わり、


さらに、
毎日の朝礼や対話、
皆善活動、称賛、振り返りを通して、
少しずつ、少しずつ、
自分たちの血肉にしていった。


まさに、積小為大です。


理念を唱和したから、人が変わったのではない。

理念について語り、
仲間の行動から理念を見つけ、
自分の行動を振り返り、
また明日、小さく実践してみる。


そんな毎日の積み重ねが、
理念を「会社の言葉」から
「自分たちの物語」に変えていったのだと思います。


■愛を根とした厳しさと優しさ

そして、ここがとても大切だと思うのですが、
その取り組みは決して、
「ぬくもり」=「優しい」会社をつくるという
話だけではありませんでした。


本当に相手の成長を願うからこそ、
時には言いにくいことも伝える。


嫌われるかもしれない。

傷つけてしまうかもしれない。


それでも、

「この人なら、きっともっと成長できる」

「私たちが大切にしている理念から考えると、
 ここは伝えなければならない」

そう信じて関わる。


そして、成長した時には、
心から喜び、感謝し、称える。


そこには、「強く、優しく、逞しく」が
スローガンではなく、
人と人との関わりとして生きていたように思います。


■自分が源

上村さんの連載にあった
「矢印はどこに向いているのか」
という問いも、私には深く残っています。


「なぜ、あの人は分かってくれないのか」

「なぜ、社員は変わらないのか」

「なぜ、もっと主体的に動かないのか」


私達も組織開発のご支援をしていると、
つい外(クライアント企業様)に原因を求めてしまいがちです。
相手に矢印を向けてしまいます。


けれど、長坂養蜂場で繰り返し感じたのは、
「では、自分はどうなのか?」
という問いでした。


自分は、相手に関心を持っているか。

相手の良いところを見ているか。

相手の可能性を、本当に信じているか。

伝えるべきことから逃げていないか。

感謝を、ちゃんと言葉にしているか。

間違った時、「ごめんなさい」と言えているか。

 

結局、「いい会社をつくる」という壮大な話も、
突き詰めれば一人ひとりの
こうした小さな選択の積み重ねなのだと思います。

一人一人の小さな自己変革のその先に、組織変革があります。


だからこそ、「微差皆善」という言葉が腹に落ちます。
大改革をすることだけが経営ではない。
新しい制度を入れることだけが組織開発でもない。


今日、誰かの小さな変化に気づく。

誰かが楽になるように、一つ工夫する。

仲間の良い行動を見つけたら伝える。

間違ったら、ごめんなさい。

してもらったことに、ありがとう。

 

一つひとつは、本当に小さなことです。

しかし、それが100回、1000回、1万回と積み重なれば、
その積み重ねこそが「風土」になる。

今回、長坂養蜂場を訪問して、改めて思いました。

 

人を大切にする仕事・経営とは、
人を大切にする「制度」をつくることではなく、
人を大切にする行動を、
一人一人が日々選び続けることなのだと思います。


そして、その中心にあるのは、
やはり「相手の幸せを願う心」なのだと思います。


■私の持ち帰り

私が持って帰りたいと思ったのは、
ぶんぶんファミリーの自分に矢印を向けて、
相手の幸せを願う気持ちの純粋な在りようです。

「関わる人の成長と幸せにつながる幸せ」にどれだけ
真剣になれるか?が問うべき在り様だと。

心のアンカーとして、参加者のお一人が最後の振り返りで
言われていた「それで、誰が喜ぶの?」を今、自分に
聞くようにしています。

私も日々「誰の為?何の為?」は意識しているつもりでしたが、
言葉を発するとき、行動を起こす時に、「それで、誰が喜ぶの?」
を問うのは、ベタな表現かもしれませんが、より分かりやすく、
よきチェッカーになると感じたのです。

まさに、ぶんぶんファミリーの皆様、参加者の皆様、
チームSKMのみんなも交えた共育。
今回のベンチマークでも育てて頂きました。


そして、もう一つ、チームSKMで、
「ありがとう・ごめんなさい」スレッドを立ち上げました。
素直な心の在り様の外在化の典型は、「ありがとう」と、
「ごめんなさい」。積小為大で続けていきます。


今日でベンチマーク研修連載メルマガは一旦、最終回です。
あなたに、一つでも参考になること、やってみてもらえる
ことがありましたら、幸いです。



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