成果の出る議題・問いを立てる方法(RPG発想法合宿より)

先週の土曜日・日曜日に、
ラテラルシンキングのために私と仲間で開発した
RPG発想法(R)認定ファシリテーターの
一泊二日の合宿を開催しました。


一言でいえば、超リラックスした空気で、
非常にレベルの高い学びと、
仲良しになれました(堅く言えば人間関係構築)。

 

合宿の内容
1.場づくり手法の共有と体感
2.議題の設定方法の研究ワークショップ
3.議題の価値を本質レベルで高める方法の体感型ワークショップ
4.宴会
5.人柄が出る 人狼ゲーム
6.RPG発想法を使ったワークショップ

 

前号では「議題・問いの質の重要性」について触れました。

では、どうすれば「成果のでる議題・問い」をつくれるのか?
今号では、こちらに触れます。

 

最初に前号で提示した
「ある健康食品を販売する部門の会議での議題」
という設定をもう少し詳しく、もう少し拡張して
考えてみたいと思います。


議題A
・なぜ売上が上がらないのか?
アウトプットA
・新商品を出せていないから
・販売力が弱いから
・Aさんが販売計画をしっかり立てないから


議題B
・どうすれば、売上が上がるか?
アウトプットB
・新商品の開発を進める
・お客さまの声や実績を訴求する


議題C
・どうすればリピード購入が増えるか?
アウトプットC
・継続的に採ることの価値を伝える
・定期購入システムを導入する
・ポイント制度を導入する


議題D
・お客さまに末永く継続利用頂くために
 私達にできることは?
アウトプット
・お客さまに選ばれている理由を維持・強化する
・お客さまが続かない理由を減らす
・私達に出来ることは〇〇。〇〇



それぞれの議題A、B、C、Dは、
アウトプットから推察するに、以下のような
視座・視野・視点が内包されていそうだという
ことが分かってきます。


議題A
・視座:売り手の立場で
・視野:原因という思考の範囲で、
・視点:犯人は誰か?という視点に偏りがち


議題B
・視座:売り手の立場で、
・視野:売上アップという思考範囲で、
・視点:商品と実績という観点が中心


課題C
・視座:売り手の立場で、
・視野:思考範囲をリピート増という範囲に絞って、
・視点:会社として出来るという視点が中心(必ずしも自分事ではないかも)


課題D
・視座:お客さまの立場で、
・視野:思考範囲をリピート増についてに絞って、
・視点:自分達にできること(行動すること)の観点


という具合です。


問いは、多くの場合、その問い固有の
視座・視野・視点が内包されていて、
成果もそれに引っ張られがちだということです。


これをイメージして、議題・問いの設定ができるか?
というのが、腕の見せ所という訳です。


しかし、一方で、
自分や自部署のことは、
自分ではなかなか分からないものです。

どうしても、今までの知識や経験や保身が邪魔して
悪意なく、視座・視野・視点が固定されがちです。



そこで私達は他者の視座・視野・視点を使って
より成果の出る、効果性の高い議題や問いを
つくるサポートをしています。

一言でいうと「解決策のブレスト」ではなく、
「問い・議題をブレスト」します。


体験してもらうと非常によく分かるのですが、
ここでは無理なので、簡単に手順を示します。


1.議題とその背景を説明してもらいます

2.議題を理解する質問タイムを設けます

3.議題を大枠理解したら、問いのブレストをします。
  参加メンバーが夫々の視座・視野・視点で
  質問型で問いを短時間でどんどん出します。
  (議題出した人は質問も回答もなし)
  出たものをどんどん一言一句違いなく書き出します。

4.書き出されたものを見て、議題提出者は
  その時の感情は気づきをもとに、
  ファシリテーターと一緒に、より効果的な
  新議題を設定します。


こんな具合です。

元ネタはハーバード・ビジネスレビューの論文
にあった「クエスチョン・バースト」という手法で、
何年も前からそれを創意工夫して使いやすくしています。



議題・問いの質は極めて重要。
個人でも工夫・知恵を絞りたい。
その上で、更にその限界突破をする手法ということです。


全体像でいえば、

・参加者、ファシリの設計
・場づくり
  ・参加者、ファシリ
  ・環境設定
  ・安心・安全・ポジティブな心理的環境づくり
・効果的な議題・問いの設定
・発散フェーズ
・収束フェーズ

の中の一つ「効果的な議題・問いの設定」なので、
その前段階の出来、不出来の影響も大きく
受けますが、上手くいけば驚くほど違う結果も
期待することができます。


やってみたい時は、最初はプロに
頼んでみるのも一つの方法かと思いますが、
ご自身でされてみてもいいと思います。