3年以内の離職率:約35%

チームSKM 吉田 理です
毎年10月頃、厚生労働省から
「新規学卒者の離職状況」が発表されます。

最新の調査によると、2021年(令和3年)
の大学新卒者の3年以内の離職率は34.9%であり、
過去15年間で最も高い水準となっています。

ただし、2000年~2005年の間も35%超を
推移していた時期があり、決して例外ではありません。

この離職率に関するデータは昭和62年以降
公開されており、一貫して30%前後を推移している状況です。

また、大学新卒者の離職率が注目されがちですが、
実際には高卒者の離職率の方がさらに高く、
平均で4割前後、多い時には5割を超えることもあります。

この統計結果から、新卒者の一定数が3年以内に
離職することは「一般常識」として
捉えられる傾向があるのかもしれません。

しかし、企業にとってせっかく採用した人材が
教育の成果を発揮する前に退職してしまうことは、
採用コスト・育成コストの観点からみても大きな損失となります。

その要因は何か、抑止策はあるのか、改めて考えてみましょう。


離職理由と若者の特徴

離職理由については、この統計資料では
具体的に記載されていませんが、
別の厚生労働省の調査によれば主に以下の要因が挙げられます:

  • 労働条件への不満(給与が低い、労働時間が長いなど)
  • 仕事上の過度なストレス
  • 会社の将来性や安定性に対する不安
  • リアリティショック(採用時の理想と現実のギャップ)

また、早期離職する若者には以下の特徴が指摘されています:

  • 相談できる相手がいない
  • コミュニケーション能力の不足
  • 自己理解の不足
  • 人間関係の問題


抑止策について

一方で、企業にとって早期退職者の存在は
依然として大きな損失であるため、
以下のような施策が重要視されています:

  • 職場への適応を支援する取り組み  (入社後のフォロー)
  • 若者のストレスを察知する上司の能力向上 (管理職の育成)
  • 公正な人事評価制度の導入 (評価の仕組みの構築)
  • 中長期的な視点に基づく育成プランの策定 (CDP制度の導入)
  • 1on1ミーティングを通じた信頼関係の構築


実践すべき具体的施策

早期退職を防ぐには、若者の特徴を理解し、
日常的に抑止策を考えることが欠かせません。

経営者の皆さんは、どのような取り組み
を実践し、仕組み化していますか?

採用時のミスマッチを防ぐ施策や労働条件の改善が
最重要課題と言えますが、実現には困難が伴います。

それ以外にすぐに取り組むことができる
施策としては、入社後のフォローを充実させることが挙げられます。


例えば:

  • 職場になじめない社員への声掛けを経営者自らが実践する
  • 朝礼や職場懇談会、ランチミーティングを定期的に開催する
  • 1on1ミーティングを導入し、傾聴を重視する
    (従業員の話を9割、管理職側は1割程度の姿勢で耳を傾ける)

これらのコミュニケーション活性化施策を
取り入れることで、企業ごとの状況に応じた
柔軟な改善が可能となります。


ぜひ実践を検討してみてください。

ちなみに私の経験談を一つだけ・・・
採用時のミスマッチを防ぐために、
私は人事担当時代、パートの採用を任せられていましたが、
(累計数100名以上)
入社してもすぐに退職される抑止として、
採用時の説明は厳しめに説明していました。
現場で説明するとき アッセンブリ(組立作業)ですが、
「見かけよりしんどいです」等・・・
もちろん魅力あるようにも説明し バランスよく工夫をしてました。