ホワイト離職と優秀な若手のきもち

前号から、私の回では叱る
(正確には改善のフィードバックですが、
 分かりやすさから基本「叱る」と表現します)
に触れています。


まず大前提として、「叱る」は必ずしも
ネガティブなことではないし、
相手もネガティブに捉えられているとは限らない
ということを知っておくことが大事だと思います。


「叱る」は、相手に関心があり、
相手に成長して欲しいから叱ります。

自分の感情をただぶつける「怒る」とは、
ここが決定的に違いますね。

「叱る」の反対は「無関心」であり、
表現が違うだけで、「ほめる」にむしろ近いと言えます。



そして、最近の若い人に限らないと思いますが、
優秀で成長意欲のある人ほど、
不足や課題がある時は「叱って欲しい」
とさえ思っている時もあります。

私も、仲間が叱られている時に、
ちょっと羨ましいなと思ったことがあります。
(ただ、怒られる・八つ当たりされるのは嫌です)



最近は「ホワイト離職」という言葉も
生まれました。
表面的な働き方改革だけで、優しい・甘いだけ。
能力不足や欠点・失敗に対して
まったく叱ってくれない環境に危機感を
覚えて離職するというのです。

「この会社にいたら、成長できない」
「この会社にいたら、市場価値がつかない」
「ゆでがえるになる。人生の危機」

と思うのでしょう。


私も同じではないですが、近い経験があります。
30才で、会社であるランクに上がった時に、

「このまま流れに身を任せたら
 あんな部長になってしまう・・・・!」

と、ものすごい危機感に襲われたのです。


私の場合は離職・転職を選ばず、
自己研鑽(中小企業診断士の勉強)に
走り、取得後に新しい成長させてくれる場
を見つけたり、勝ち取ったりできたので、
離職・転職はしませんでしたが、
今の若者の気持ちは分かります。



一切「叱らない」「叱れない」だけの
生ぬるい職場の先にあるのは、

2:6:2の上2割の「優秀・成長意欲ある社員」の離職と、
2:6:2の上2割の「ぶら下がり社員」の定着です。



それを望みますか?
その先に、会社の成長と、働くメンバーの
働きがいや幸せはありますか?