パタゴニアの物語
先日、上村さんが、ナラティブマーケティングの
話をしてくれました。
ナラティブとは物語のことです。
物消費経済から、サービス経済、体験価値経済に
経済の中心がシフトしていくなかで、
そのモノ・サービスのスペックもさることながら、
その世界観・その世界観を形作る物語が
より一層重要な地位を占めるようになっています。
その意味でナラティブ・マーケティングは、
世界観マーケティングといってもいいと思いますが、
ブランディングの意味でもとても重要と考えています。
さんよし会では、
5月12日(月)、6月10日(火)に、
ナラティブマーケティング(2)(3)と上村さん
ことカミソンが登壇してワークも交えながら
やってくれるので、ご都合付く方は是非ご参加くださいね。
さて、物語といえば、著名な例でいえば、
アウトドアグッズなどで有名な「パタゴニア」でしょう。
パタゴニアは、ロッククライマー創業者イヴォン・
シュイナードの個性的な人生と環境への深い思いに
根ざしています。リーダーの生き方や哲学が、
パタゴニアの世界観・ブランドに深く根ざしています。
シュイナードは、もともとロッククライマーとして
質素な暮らしをしていた中、
そして、自分自身でクライミングギアを製造する
鍛冶職人としてスタート。彼の製品は高品質で環境に
配慮した設計が特徴で、自然保護の意識を広めました。
そして1973年、カリフォルニア州でパタゴニアを設立します。
設立当初から環境保護を重視し、高品質なアウトドア製品
の提供と地球への負荷軽減を両立させることを目指したのです。
そんな背景をもつパタゴニア、その想いを素直実践します。
・オーガニックコットンの導入
すべての綿製品にオーガニックコットン使用。
・リサイクル素材の活用
製品の64%がリサイクル繊維から作られ、
・「Don’t Buy This Jacket」キャンペーン
過剰消費への警鐘を鳴らし、製品の修理や再利用を推奨。
当社の商品を買わないで!という型破りな広告をうちました。
・1% for the Planet
売上の1%を環境保護活動に寄付するプログラム。
そしてついに二年半ほど前、約30億ドル(約4300億円)
と評価されているパタゴニアの所有権を、株式売却でなく
非営利団体等に譲渡。シュイナードさん、記事によると
非常に満足されているようです。
パタゴニアは、その世界観を愛する人に愛顧されています。
シュイナードさんが経済的成長も裕福も全く
求めていないのに、ブランドが育っています。