「働き方改革」だけでなく「キャリア開発支援改革」を
若手社員の「不安型転職」その不安とは
将来の「キャリア不安」という話を前2号で
してきました。
従来の労働時間削減などの表面的「働き方改革」
ただ楽になる表面的「ホワイト企業化」では、
この離職は減らないということです。
これまでの「働き方改革」は、労働時間の短縮や
ワークライフバランスの向上が中心でしたが、
それだけでは不十分ということです。
若手社員が自分のキャリアを安心して築ける
「キャリア開発支援改革」を考えていく必要があります。
前号の話と一部重複もしますが、
「キャリア開発支援改革」という観点で、
どのようなことが出来そうか考えてみます。
■キャリアへの安心感・期待感を高める仕組み
「この職場でずっと働いていても大丈夫なのか?」
という不安に答えるために、
長期的なキャリアビジョンを提示し、
成長のステップを具体的に示すことで、
キャリアに関する安心感・期待感を高めます。
職場の人間関係がよく心理的安全性も確保されて
いたとしても、キャリアの不安が残る環境では、
若手社員は成長を実感できず、
結果的に離職を考えてしまいます。
キャリアパスを示す、ロールモデルとなる人を育てる、
社内での異動やプロジェクトへの参加機会を増やすなど、
将来的なキャリアの選択肢を広げるサポートが必要です。
■社外経験と社内成長の連携
若手社員が社外での経験を積む機会があり、
それを社内で活かせる仕組みを作ります。
副業やプロボノ、外部プロジェクトへの参加が
若手社員のキャリア形成に
大きな影響を与えるようになっています。
私自身、社外活動と、その活動から得たものを
社内に持ち込むことで大いに社内での仕事の
幅を拡げることができました。
逆に、自分の会社で培ったものが、
ガラパゴス的な知識・スキルでなく、
社会で広く活用できることが実感できると、
勤務先会社での仕事がキャリア形成にプラス
という実感も持つことができます。
■社内に「本務外の挑戦・成長機会」を用意する
社内に「本務外の挑戦・成長機会」を作り出すことも
考えられます。若手社員が自律的に成長し、
キャリアを形成できる環境を提供するために、
企業内にプロジェクトベースの機会を創ります。
私自身、34才のころ、同年代10数名で
経営提言チームを作ったり、
若手営業マン向けの研修会を立ち上げたり
本務ではないが独自の活動をたくさんさせて
頂きましたが、そういうことがプラスに
働いた実感があります。
結果的に、私が退職・起業しましたが、
それはキャリア不安ではなく、志がたったこと、
自己実現のためでした。
会社にことが好きでしたが、泣く泣く
退社させていただいたのです。
しかし、そのような社内でも挑戦させて
頂ける機会がなかったなら、キャリア不安が
理由で、もっと早く退職していたかもしれません。
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特に優秀な人財に定着・活躍してもらうためには、
単にぬくぬくとした労働環境を整えるだけでなく、
キャリアを安心して築けるような成長機会を
提供することが重要です。
それが、若手社員の定着率を向上させ、
企業全体の成長にもつながります。
優秀な人財こそ、会社でずっとキャリア開発
したくなるような、育成の仕組み、
未来に向けた新しい人財育成のアプローチを
創っていきましょう。