部下の執行(実行)責任
前号で、エンパワーメントにおける権限委譲は、
・上司が結果責任を負い、
・部下が執行責任を負う
ということを書きました。
松下幸之助さんの「任せて任せず」という
エンパワーメントの神髄のような言葉も
お伝えしました。
今日は、エンパワーメント・権限委譲した時に、
部下に(自分で考えてやる)執行責任を
強くもとめた事例として聞いたお話をお伝え
したいと思います。
それは某講師の先生が、事務局に教室運営の
準備などを任せていた(権限委譲した)ときに、
起きた話なんだそうです。
エンパワーメント・権限委譲された人は、
言われたことをやるのでなく、
自分がラストパーソン(後はない)と思って
仕事してほしいと伝えていたそうです。
だから、思いっきり執行権限を駆使して欲しいと。
しかし、事務局の方は、何となく
テキストをプリントし、ホッチキス止めを
していたんだそうです。
その時に、めちゃ叱ったそうです。
『講師がどうやって、最短で資料を配ったり、
参加者が最適に資料をつかえるか?
そのために、ホッチキスは右トメ?左トメ?
片面?両面?
1面付け?2面付け?
カラー?モノクロ?
そのプリントとホッチキス止めの意図は?
どう実行するか徹底的に考えろ!
お前がラストパーソンだ! 』
と叱ったそうです。
たかがホッチキス止め、されどホッチキス止め。
コトの大小と、どこまで考え抜いて
仕事するかは関係ないということです。
私の座右の銘の一冊、
「経営の行動指針」にも
『権限をフルに行使せよ。
責任とは権限を全部使い切ることだ』
という章があります。
から一部引用します。
ーー 抜粋 引用 ーーー
委譲された権限は、本人によってフルに
行使されなければならない。この権限を
全部使い切るというのが、責任である。
つまり、責任は完遂するべきものである。
・・・
権限を使い切っている人には、
次々新しい権限が追加される。
逆に、権限を使い残している人からは、
権限を徐々に取り上げてゆく。
・・・
権限は自らつくり出したものに対して、
上から認められるものであること。
責任はとるものではなく、果たすもの
ーー ここまで ーーー
権限委譲する方も、
権限を受け取る方も、
双方が真剣勝負ということですね。