予測の3倍売れる異常事態。機会損失より社員休暇を優先「ヤマダストアー」
チームSKM 佐々木千博です。
池原さんが4月に書いていた、
「なぜ“売上を追わないスーパー”が熱狂的ファンを生むのか?」
でも取り上げたヤマダストアさん。
▼池原さんのメルマガ▼
https://s-kando.com/archives/
実は私も最近、いく機会が何度かあり、
なかなか気に入ってきております。
家から少し遠いのが残念・・・です。
そんなヤマダストア 西宮店
つい先日5月12日・13日に、
またまた臨時休業でした。
ヤマダストアーのInstagramには、
おおよそ以下のように記載されています。
・西宮店一店舗で姫路店舗の3店舗分の売上。
・リサーチ会社の「基本の予測売上」の3倍の売上推移
・各従業員に休みを確保していかなければならない
・商品調達や既存店の商品確保もしなければならない
・ヤマダストアーに派手さと賢さはございませんが、
…中略…真面目に正直にゆっくりゆっくり…
▼Instagram▼
https://www.instagram.com/p/
個人的には、
「派手さと賢さはございませんが、
…中略…真面目に正直にゆっくりゆっくり…」
なところが、いいなぁ~と感じた投稿でした。
広くキレイな店内、
自然食品や持続可能性を前面に押し出した品揃え、
物語性のあるPOPや売場(地産地消・地域食文化保護)
少し気になるPB商品達(目的来店を作る要素)
などなど、少し高い気もしますが、
楽しい感じなのです。
その辺りが、西宮店近隣の生活者に
響いたのでしょう。
さて、今回取り上げたのは、お店の魅力でなく
経営の考え方・経営判断についてです。
予測の3倍の売上は、当然ながら現場の
オペレーションに大きな負荷をかけたことでしょう。
連日の大混雑、追いつかない商品供給。
お客様からの期待値が高まる中で、
ヤマダストアーは公式SNSで「臨時休業」
を複数回にわたって発表しました。
その際に出されたコメントは、企業スタンスが
はっきりと出ていました。
公式コメントから見る会社の姿勢
(1)「売上」よりも「従業員の休みと質」を守る
公式声明では、「前倒しで増員を重ねてきたが、
各従業員の休みを確保していかなければならないため、
店舗に渋滞が起きている」と率直に告白。
商品調達や既存店の商品レベルを
維持するためにも臨時休業が必要だと説明。
目先の売上機会を捨てて「働く人」と「ブランド」
を守るためのブレーキを踏む判断をしたと
いうことになります。
(2)現場を責めないコメント
市場調査の甘さを指摘する声に対し、
会社は「予測は不可能だった。当時の店長の予想が
正しかったと思っている」と明言。
混乱の中で、現場責任者を守っています。
(3)「20年後の未来」遠きははかるコメント
公式コメントは、以下の締めくくりです。
『派手さと賢さはございませんが、
真面目に正直にゆっくりゆっくり地域に
確実に根差してゆき(中略)消費者の消費行動の変革により、
さらなる西宮の20年後の未来を作る存在として、
西宮の皆様が誇れる店になれるよう精進して参ります』
単にモノ売りではなく、
この明確な「パーパス(企業の存在意義)」があるから、
お客様は共感してファンになり、
働く従業員は自分たちの仕事に誇りを持つことができているのかも
そして経営陣は、パーパスに照らし合わせて、遠きを見た時に、
目先の利益よりも「今は休むべきだ」という
ブレない決断を下せたのではないでしょうか。
イキイキ働ける永続職場をつくりたいリーダーへの問い
今回の事例は、他の業界の組織づくりにも
応用できる普遍的な問いを投げかけていると思うのです。
・自社の商品やサービスは、価格競争を抜け出す
「独自の意味や物語」を持てているか?(
・想定外の事態(大成功を含む)が起きたとき、
現場を犠牲にせず、会社として「ブレーキを踏む」
・従業員が誇りを持てる未来や目的を語れているか?
顧客への「熱狂的な価値提供」と、従業員を守る
「持続可能なオペレーション」。
この両輪を回すことこそが、人がイキイキと働き、
長く愛され続く企業をつくる条件ではないでしょうか?
まだオープンしたばかりのヤマダストアー西宮店が
これからどうなっていくか?とても楽しみです。
今回の事例分析はいかがでしたでしょうか?
もしご自身の組織において、売上や顧客満足の追求と
「スタッフの働きがい・働きやすさ」の両立を取る上で、
現在最も葛藤を感じている課題があれば教えてください。
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