言葉が組織を変えていく~プロバスケチームの挑戦
チームSKMの池原です。
今日は、広島のプロバスケットボールチームである
“広島ドラゴンフライズ”の事例を紹介します。
2017年当時、
チームは成績とともに企業としての業績も低迷していました。
株式会社広島ドラゴンフライズの浦社長は
バスケットボールに賭ける想いや、広島への地元愛が強く
「理念をしっかりと言葉にして、社内、そしてチームに伝えて
いきたい」という思いはあったものの、なかなか賛同を得られない
状態に悩んでいたそうです。
運営会社の社長には
「理念などより、利益を上げるほうが大事だろう」
と言われる始末。
そこで浦社長は、この悩みをあるコンサルに打ち明け、二人で
浦社長の想いを表現する言葉にまとめあげました。
“HIROSHIMA never gives up. Basketball never stops
trying to change the world. What about you?
広島は決してあきらめない。
バスケットボールは世界を変えることをあきらめない。
あなたはどうする?”
過去原爆によって被害を受けた広島は、市民の力で
驚くべき早さで復興をとげました。
その広島でドラゴンフライズはバスケを通じて人の心を動かし
それぞれが世界をより良い場所に変えることを後押しする。
その理念をチームとして世の中に発信していこうとなった。
ビジョンが決まったものの、どのように伝えていくか。
そこからがこの事例の面白いところでした。
このコンサルは、自分がチームのスポンサーになり
この”HIROSHIMA~“のメッセージを社名とした会社を
作り、その会社がスポンサーになる案を考えました。
そうすることで、ユニフォームにこの想いを込めたメッセージが
プリントされ、また試合が始まる前のスポンサー紹介でも
このメッセージが社名として紹介されたそうです。
当初会場はザワついていたそうですが(笑)。
こうして、会社の名前が知られることで組織のビジョンが
チーム内外に浸透することにつながっていきました。
そして、ここからクラブの社員でミーティングを行い
「バリュー策定」として”仕事で大切にしている思いや行動“を
言葉にしてまとめていったそうです。
このバリューを「クレドカード」に記し、
社員はスポンサー営業の際に、
チームの魅力と熱い想いを伝えたことで
スポンサーも増えていきます。
チームも変わりました。
チームフィロソフィーとして”GRID FOR THE MOMENT”とし、
「その瞬間を粘り強く戦う」という意味で、
これを選手が口々に語ることで
理念が選手の間にも浸透したそうです。
その結果、どうなってたのでしょうか。
それまでスポンサーを拒んでいた地元有名企業が支援を決め
売上は昨年比1.5倍になり、理念経営から早くも黒字化を達成。
チームの成績もB1リーグに昇格し、上位争いを演じるまでに
成長しているそうです。
このように理念を言語化することで、組織の方向性を
統一され、組織の力が発揮されることで成果に結びついたと
いえると思います。
皆様の会社では“会社の想い”が言語化できていますか?
確認の際は、ぜひ社員の方を交えて意見交換されることを
お勧めいたします。