挨拶する意味を話せますか?
チームSKM 上村です。
会社で「元気よく挨拶をしなさい」
という言葉を耳にしたことはありますか?
あるいは、自分自身が若い世代に伝えている
という方もいらっしゃるかもしれません。
ひとつ、皆さんに質問です。
どうして挨拶を元気よくする必要があるのでしょう?
それを、部下や後輩に納得いくように説明できますか?
現在、お仕事させていただいているクライアント企業
係長の方からこんな声がありました。
「最近の若い子たちが挨拶をしっかり返してくれないんです…」
私は、こう質問してみました。
「どうして挨拶が大切なのですか?」
返ってきた答えは、こうでした。
「えっ、常識じゃないですか。」
以前、中川さんが別の記事で書いていた言葉があります。
「自分にとっての普通は、相手にとっての不通。」
まさにその通りですよね。
「常識だから」で人は動きません。
人が本当に動くのは
それをする「目的」が腹落ちし
それをすることで得られる
「ベネフィット(恩恵)」が実感できたときです。
組織によって多少の違いはありますが
一般的に考えられる挨拶の
「目的」と「ベネフィット」を整理してみました。
挨拶を元気よくする目的
・存在を確認し合うため
→「あなたを認識しています」というメッセージを発信する。
・コミュニケーションのハードルを下げるため
→ 挨拶をすることで、
・組織の雰囲気を良くするため
→ 明るい挨拶が飛び交う職場は居心地がよくなり、
挨拶をすることで得られるベネフィット
・仕事がしやすくなる
→ 小さな声かけが、後々、大きな助け合いや情報共有に繋がります。
・上司や先輩からの信頼を得やすくなる
→ 小さな礼儀が、上司や先輩からの信頼につながります。
・自分自身の印象が良くなる
→ 挨拶一つで「感じが良い人」というラベルが貼られることは、
・ミスをしたときにフォローしてもらいやすくなる
→ 普段から関係性を築いておくことで、
「元気よく挨拶をしなさい」という指導も
単なる”押し付け”ではなく
その意味と価値を伝えることが大切です。
そして、もう一つとても大事なことがあります。
それは、相手が変化したら、必ずその変化を承認することです。
たとえば
「最近、元気な挨拶をするようになったね!」
「君の挨拶、こっちも気持ちよくなるよ!」
そんな風に、しっかりと言葉にして伝えてください。
そうすることで
相手は「ちゃんと見てくれているんだ」と感じ
「自分にはそんな変化が起きたんだ」
「それが周りに良い影響を与えているんだ」
と気付くことができます。
それによりお互いの信頼関係の向上や
本人自己肯定感の向上にもつながっていきます。
さらに、最初にご紹介したクライアント企業で
今度は経営層である常務の方にも質問をしてみました。
「御社はなぜ挨拶を大切にしているのですか?」
すると、こう答えてくれました。
「当社のような受注委託企業は、差別化が難しいんです。
似たようなQCDの提供になりがちです。
そこで、最後に選ばれるかどうかを決めるのは“印象”です。
相手に与える印象を良くするために、挨拶が大切なんです。
そのために、外の人に自然と挨拶ができるよう
まずは社内で徹底しているんです。」
挨拶は会社の外部へのブランディングにも直結している。
そのような目的とベネフィットもありますね。
ただ、注意点もあります。
この「ブランディング視点」
現場で働く人たちにとっては
やや遠い話に感じられることが多いものです。
だからこそ、先ほど挙げたような
自分の仕事がしやすくなる
信頼を得やすくなる
自己肯定感が高まる
といった、自分ごととして実感できるベネフィットも
あわせて伝えていくことが重要です。
小さな挨拶の積み重ねが
個人の成長にも、組織の成長にも
違いを生み出していきます。
皆さん、挨拶の目的を話せていますか?