1on1で“将来の夢”を聞いてはいけない理由
チームSKM 池原です。
2月の頭に
さんよし会で行った
「冒険する組織のつくり方」の著者
安斎勇樹さんをオンラインで
招いてのイベント。
20名以上の方に
リアルで参加していただき
参加者同士のグループワークや
その後、安斎さんに質問をして
答えてもらうという企画。
その企画から約1か月経って、自分の記憶からも
薄れ始めていた今日この頃。
改めて、振り返ってみると
とても学びが多かったことを
再認識しています。
今回はその中でも読者の皆さんに
共有したい学びのひとつを
お伝えできたらと思います。
<しっくりくる自分を探す>
最初に取り上げたいのは
ある方が質問された内容で
「上司が1on1面談で
部下に将来の夢や、どんなふうになりたい?と
聞くのは、重すぎませんか。」という質問。
これに対し安斎さんは
「この本の中では、自己実現の探求
という言葉を使っていますが
それを将来の夢とか、やりたいことである
とは言ってません。
私は、その状態を”しっくりくる自分になる”と
表現しています。」
そのあとの例えが秀逸でした。
たとえば
「今夜食べたいものある?」と
聞かれて、何と答えますか?
おそらく皆さん
「なんでもいいよ」と答えるでしょう。
それで
「じゃあ中華でいい?」と言われると
「いや、中華の気分じゃないんだよ・・」
と言うと
「何でもいいよって言ったじゃん」と
ちょっとした言い合いが起こります。
これは
質問がダメだと指摘されます。
料理を作ってくれる人から
「なんか食べたいものある?」と聞かれたら
言われた側は「何でもいいよ」と答えるしかない。
つまり
上司から
「○○君、君の将来やりたいことはなんだ?」
と聞かれたら
「いや、特にないですね」とか
「○○ですかね・・」と相手の望む答えを
忖度して答えるしかなくなります。
中華料理を食べたくないのに
中華を食べている状態。
これは、しっくり来てない状態。
ではどうすればいいのでしょうか?
<質問の仕方を工夫する>
これに対して
安斎さんは次のように指摘しています。
では、皆さん
次のように質問したらどうですか?
「○○君、この6か月でやった仕事の中で
たとえば、Aという仕事
またBという仕事、はたまたCという仕事。
しいていうなら、どれが一番
やりがいがあった?」
人間の主体性の最小単位とは
「選択する」ということだそうです。
どんなにズボラでやる気がない人でも
スマホの中で、次どんな動画を見るかを
選択している。
つまり、この質問のように
オープンクエスチョン(答え方が自由)
ではなくクローズクエスチョン(答えを選択させる)
にすると
「しいていえばBですかね。」と答えてくれる。
そしたら
「Bのどんなところが良かったの?」と聞く。
すると、部下は理由を語り出す。
そこにその人のしっくりくる自分が見えてきます。
このように
「君は将来、うちの会社で何をやりたい?」は
上司が一番聞いてはいけない質問だとのことです。
質問者の方も、これには苦笑していました笑。
このあたりは
「新 問いかけの作法」という本に
書かれているとのことでした。
<大事なのは、しっくり感の積み重ね>
この問いの答え以外にも
安斎さんが言っていたのは
「人はそんなに変わらないし
みんながやりたいことに燃えている
状態にはならない」という
とても現実的な見方でした。
社長は自分の社員に
「こうなってほしい」とか
「成長意欲を持ってほしい」とか
思います。
しかし、みんなが社長の想いや
会社の目標に動機づけられるわけがないと。
そんな中で
「会社の目標」と「個人のやりたい」を
近づけていくことが大事。
質問や対話を工夫して
少しでも動機づけしていくことが
上司の仕事だし、育成であると
言っておられました。
このしっくり感が積み重なると
結果として、その人らしい活躍
=自己実現へと繋がっていくとのこと。
あなたの会社でも
部下にそのまま会社の理想を
押し付けていませんか?
<最後に>
安斎さんから学んだことは
他にもたくさんありました。
紹介したいのですが
今回は長くなってしまったので
次回に持ち越したいと思います。
今回参加して
私も研修をさせて頂く身として
安斎さんの講話は
これはプロの仕事だなと感動しました。
繰り出される質問に対して
ただ答えるだけでなく、その引用や
追加の補足情報、次に向けてのアクションまで
全て即興でやっているとは思えないほど
知識の引き出しが豊富でかつ的確だと感じました。
1時間という時間がこんなに
豊かな学びの時間になる感覚は
あまり感じたことはありません。
参加者の皆さんの良質な問いと
真摯な気持ちが良い場を作ったのは
間違いありません。
そこはさんよし会が理想とする場でした。
明日のさんよし会は
私がファシリテーターを務める
「脳内リソースを拡張する”AI活用仕事術”」
という勉強会を行います。
参加者が終わったときに
「良い学びだったなー」と思っていただけるよう
準備していますので是非ご参加ください。




