1/3・1/3の法則
ビジネスの問題は突き詰めると
コミュニケーションの問題に
行き着くことが多いです。
上手くいかないことの理由の第一は、
「伝えた」つもりだけれど、
「伝わっていない」ことです。
もう一つは、価値観・意見・意思の相違ですね。
後者はある意味、仕方ありません。
「違い」は「間違い」ではない。
「違い」は「違い」でしかない。
ことを理解して、相手に敬意を払い、
相手が大切にしていることも尊重しながら
意見調整をするか第三の道を見いだすことです。
今日お伝えしたいのは、それ以前の問題で、
「伝えた」けれど「伝わっていない」問題です。
私の定番の部下育成研修でも、
育成法以前に「伝わるコミュニケーション」
という話をしますが、「伝える」に意味はなく、
「伝わる」が大事です。
「伝わる」とは、どういうことか?
「伝わる」ための工夫などは、
またの機会にお伝えするとして、
今日はその前提となる心構えをお伝えします。
それが、『1/3・1/3の法則』(佐々木の造語)です。
つまり、
人は頭の中にある伝えたいことの半分も言語・非言語
を使ってアウトプットすることは出来ない。
発信者が非常に優秀で、1/3。
受け取り手も、相手から発出された言語・非言語の
半分も受け取ることは出来ない。
受信者が非常に優秀で、1/3。
ということです。1/3というのは、1/2以下という
程度の意味で、実際はもっと少ないことも多いと
思います。
話を聞いていて、明らかに、自分の話している
ことを理解していないと感じるケースも多いし、
やりとりの中で、主旨のズレている話をする人
はとても多いからです。
(勿論、私がそうなっているケースもあるでしょう)
発信者が最大1/3。
受信者が最大1/3。
ということは、「伝わる」のは、
1/3×1/3=1/9
つまり、1割も伝われば十分ということです。
勿論、非常に単純かつ具体的な
「そこのボールペンとって」
というものであれば、そこまで齟齬はない
でしょうが、抽象度が高まれば高まるほど、
どんどん「伝わらなく」なります。
まず、この前提を理解して、謙虚になる
ことがコミュニケーションの齟齬を減らす
前提になります。