若手育成で、早く最低必要努力投入量に達するアイデア

前号では、働き方改革や、労働力流動性の高まり、
その他事情で、20年・30年前の育成法が
通用しなくなっている。

そんな中で、ある分野で成果を出すために
必要な最低必要努力投入量はあるが、
いかに時間頼みでなく、効果的にそのトレーニング
をしていくかが重要であるということを書きました。


努力投入量=「時間」×「時間当たり負荷」


であるから、「時間当たり負荷」を高める必要が
あるということを書きました。


今号では、そのアイデアをいくつか提示したい
と思います。


■意図的な教育・訓練をしてもらう

私が若い時は「とにかくやれ!」でした。
なので、自分なりに考えてやりました。
考える力がついた面もありますが、非効率さも
あったと思います。

筋トレでは鍛える部位を意識すると
より効果的といいます。

OJT含む教育・訓練で、

・なぜやるのか?
・どこを特に意識してやるのか?

をしっかり伝えることで、
努力が効果的に成長につながると考えます。



■プロジェクトで共育してもらう

私は昔、大学生のプロジェクト・ベースド・ラーニング
の講座を担当していたことがあります。

テーマに向かって、学生同士で思案し、
挑戦し、反省して、また次に向かいます。

私は大きな逸脱を防ぐことと、
自ら挑戦するヒントと背中押ししかしません。

1年間の有期プロジェクトなので、
タイムプレッシャーもありました。

結論からいうと、めちゃくちゃ成長しました。

受け身に教えられるより、タイムプレッシャーの中で
教え合うことが負荷も高まり大きな成長になります。



■社外武者修行に出す

私は大手企業に居たので、社内研修は充実していました。
ですが、30才くらいから会社に頼らず
自前で勉強するようになり、社外の勉強会
などにも顔を出すようになりました。

社外では社内の甘えは通用しません。
また、社内ではなかなか得られない
視座・視野・視点を学ぶことができました。

自分で勝手に社外に飛び出す人はよいですが、
皆がそうでない以上、会社から社外武者修行
に出すというのも、非常に有効と考えます。



■ポータブル・スキルをまず徹底的に鍛える

仕事には、業種業態・職種や会社に関係なく
必要とされるポータブル・スキルと、
その業種業態や職種、その会社でしか通用しない
知識・スキルがあります。

私は最初に入った会社で、入社2年目から
指導員をやっていましたが、OJTの中でも、
仕事の背景にあるポータブルスキルの育成に
フォーカスして育成していました。
結果、明らかに成長速度が早かったと思います。

OJTでも、OFF-JTでも、ポータブルスキルを
まず徹底的に鍛えると、他の全ての修得が
早くなります。



■プロを活用する

社内で教育・育成を何とかしようとする
会社も結構あると思いますが、
社内のメンバーはその仕事のプロではあっても、
育成のプロではないことが多いです。

プロの力を使うことは、
育成のスピードアップ、大きな目で見た
時にコスト削減になります。

一人我流で筋トレするのと、
パーソナルトレーナーをつけて筋トレする
のとの違いですね。

ボイスチェンジで、社外のメンバーからも
伝えることで、より効果的にメッセージが
伝わることもあります。

いずれ内製化したい場合でも、最初はプロが
基本の型をつく





これらの方法は、パワハラにもなりにくい
というメリットもあると感じています。

古きよき時代のOJTの幻想に囚われることなく、
新しい時代の人財育成を工夫していきましょう。