成長の場「本気の打席」にするために

意欲と能力ある人財を成長させるために、
「本気の打席」に立つ機会が大切だという
話を前号でしました。

ここでは、打席という「場」と、
「本気」という本人の内発的なものの両方が
重要になります。


「場」は用意できたとしましょう。


「本気」になってもらわないと意味がありません。

「本気」になりやすいTPOを経営者・リーダー
はつくりたいです。


これを考える時に、
「ブルームの期待理論」がとても参考になります。


~~ブルームの期待理論~~

ブルームの期待理論は、1964年にブルームが
提唱したモチベーション理論です。
人間の行動が「期待」「道具性」「誘意性」の
3つの要素によって動機付けられると説明しています。


「期待」「道具性」「誘意性」は、どういうことか?
というと、

・期待 :努力が成果に結びつく確率
・道具性:目標達成が次の目標や報酬につながる期待
・誘意性:報酬そのものの魅力

モチベーションはこれら3つの積で表され、
それぞれが高いほど行動意欲が高まるという理論です。

~~説明ここまで~~


かみ砕くと、

「頑張れば達成できる!」と思えるストレッチ目標
 目安として頑張れば50~60%成功できる水準
  ×
「成果そのものの魅力と、その先も楽しみという魅力」


のかけ算が本気を引き出すというこということですね。


大事なのは、その人にとって・・・
ということになります。


例えば、一流の100m走の選手であれば、
「10秒の壁を破る」は期待できる目標かもしれませんが、
私だと無理すぎて、練習すらしないでしょう。

そして、一流の100m走選手でも、
(走ることの喜びは別として)
成果が、練習会のみで試合なしなら
そこまで頑張れないでしょう。

これが、全日本大会を日本新で優勝
という目標で、その日本新での優勝(優位性)が
オリンピックにつながっている(道具性)という
時に俄然、力が出てくると思うのです。



ビジネスでも同じですね。

その人の力量(実績だけでなく、自己効力感も含む)
と、その人の志や人生の夢など、得たいものを
踏まえて、本気の打席を用意していきましょう。