歴史から学ぶ「三鏡」とワールドコム不正会計
企業は社会の公器である。
これは、上場している公開企業も非上場中小企業も同じです。
上場企業の場合は、影響範囲が広く、
株主というステークホルダーが不特定多数である
こともあり、より公正さが求められるというだけですね。
先日、ワールドコムの不正会計について学んでいた
のですが、その中で、対象的な歴史的な話として、
中国唐王朝の第2代皇帝であり、中国史上屈指の名君とされる
唐の太宗と、彼が編纂を命じた『貞観政要』の中にある
「三鏡」「諫議大夫」の話を思い出しました。
研究者でも公認会計士でもないので詳細は
知りませんが、ワールドコムはかんりトップダウン
で中央集権的な会社だったようです。
そしてトップは自分の意に沿うメンバーを
中央に集めていた。なかなか、問題を指摘したり
できる風土ではなかったようです。
それが不正会計につながり、当時、アメリカ史上
最大の経営破綻・倒産となりました。
対して『貞観政要』にある三鏡は、
太宗が説いた自己を正すための三つの鏡の教えです。
銅の鏡で自分の姿や態度を正し、
歴史の鏡で過去から興亡の教訓を学び、
人の鏡で他者の諫言を受け入れ自らの得失を知る。
この三つが上にたつ者には必要という話です。
実際に太宗は、意識するだけでなく、
「諫議大夫」という皇帝を諫める重役を設け、
彼の耳の痛い話を大切にしたようです。
カリスマ経営者や組織の代表、
権力が集中しやすい環境にいる人ほど、
意識したいことですね。
ワールドコムの不正会計、全米史上最大の
倒産劇も2002年と20年以上前の歴史に
なりつつあります。
(私はまだ前職の3年目若手社員でした)
太宗から学ぶ、
企業不祥事から学ぶ、
これはどちらも「歴史の鏡」でもありますね。
しかし一番難しいのは、「人の鏡」を常に
おいて我が身を振り返ることです。
あなたに諫議大夫は、いますか?