経営の神様と言われた現パナソニック
創業者の松下幸之助さんは、
「素直な心になるために」という
著作もありますが、

「実践経営哲学」という本の中でも、
こんなことを書かれています。

少し引用が長くなりますが、
こんな内容です。



『聞くところによると、碁というものは
特別に先生について指導を受けたり
しなくとも、およそ一万回うてば
初段ぐらいの強さになれるのだという。

だから素直な心になりたいということ
を強く心に願って、毎日をそういう
気持で過ごせば、一万日すなわち
約三十年で素直な心の初段にはなれる
のではないかと考えるのである。

初段ともなれば、一応事に当たって
ある程度素直な心が働き、
そう大きなあやまちをおかすことは
避けられるようになるだろう、

そう考えて、私自身は日々それを心がけ、
また自分の言動を反省して、
少しでも素直な心を養い高めて
いこうとしているのである。

そのように方法はみずから是と
思われるものを求めたらよいわけだが、
素直な心の涵養、向上ということ自体は、
あらゆる経営者、さらには、
すべての人が心がけていくべき、
きわめて大切なものである。

それなくして、経営の真の成功も、
人生の真の幸せもあり得ない
といってもいい。』

いかに「素直」ということを
大切にされていたかが分かります。

また、船井総研の創業者
船井幸雄さんは成功の三条件を
「素直」「勉強好き」「プラス発想」
言われました。

「素直」ということを、的確に
定義する自信はないのですが、
私自身は、

・ありのままを、ありのままに認識する
 (色眼鏡を掛けない)

・善いと思ったことは、する。
 善くないと思ったことはしない。
 スケベ心(私利私欲)におぼれない。

そんな風に思っています。

では、そんな簡単に出来るかというと
なかなか難しかったりします。

先入観や固定観念、自分可愛さから、
色眼鏡で物事を認識してしまったり、

善いと思う事と、自分の欲とを
天秤にかけてしまったりする
自分に気づくわけです。

または、気づかずに、そうして
しまっていたりするわけです。

「素直」

簡単なようで、簡単でないところも
ありますが、幸之助翁が書かれている
ように、素直な心を日々願って、
意識して、素直初段を目指したいものです。