睡眠と勤務間インターバル

昨日に引き続き、睡眠と仕事のお話です。

経営目的の一つに、従業員の物心健やかな
暮らしの実現といったものがあるならば、
無視はできないテーマと思っています。

睡眠と経営との関係では、
近年、「勤務間インターバル制度」という
ものが注目を浴びてきています。

その背景には、長時間労働の是正という
こともありますが、副業(複業)の一般化
という社会的背景も関係していると思います。

最初に「勤務間インターバル制度」について
簡単に触れたいと思います。

「勤務間インターバル制度」は、
前日業務終了から翌日業務開始まで
一定以上の時間を確保することで、
休息の確保・長時間労働を
防止しようとする制度です。

「働いた時間」→残業規制ではなく、
「働いていない時間」を見るというのが、
新しい労働時間制度です。
(ドライバーは以前から有)

EUは11時間以上の休息時間が
法律で義務付けられているそうです。

日本はこういった動きからは遅れていて
勤務間インターバル制度の導入は、
2018年6月から働き方関連法案の中で
事業主の努力義務となっています。

努力義務なので罰則などはありませんが、
そういう問題ではなく、副業(複業)も
一般化していく中で、従業員の健康を
守るために事業者が配慮することが
今まで以上に重要になってきていると
言えます。

つまり、こういうことです。

便宜上、メインの本業と、サブの副業
があるとします。本業の後に副業を
されている場合、

本業→副業 となります。

本業
 9:00 ~ 18:00
 18:00~ 19:00(残業1時間)

副業
 21:00~25:00(4時間)

とすると、本業の会社は残業が2時間で
月21時間。なるほど、これ以上増えないように

などと考えるわけですが、
実際は、月100時間超の残業時間相当の
仕事をこの方はされているわけです。

ここでは、この労働時間の管理は
誰の責任?という話はしませんが、

勤務間インターバルの観点でいえば、
インターバル8時間ということになります。

少ないですね。

通勤などの移動時間、食事やお風呂の時間
まで考えると、ゆっくり身体と頭を休める
時間はあまりなさそうです。

一時のことであれば、大きな問題は
特にないかもしれませんが、
慢性化すると、生産性も下がってくるでしょうし、
心身の健康にも影響がでるかもしれません。

労働時間の管理、残業規制の対応、
勤務間インターバルへの対応、
罰則の有無・・・・

勿論、現実的にはそういうことも
出てきますが、情報の頭出しはさせて
頂いたので、その先は社労士さんに相談ください。

私がお伝えしたいのは、法規制云々ではなく、
従業員の心身健やかな暮らしを守る
という会社の大切な目的を考えた時に、

副業先の問題とか、そういうことでなく、
自社でできることはないでしょうか?
という問いかけです。

最低限、その人の本業以外での
仕事の状況などは知っておくべきかなと
個人的には思います。

中長期的には、キャリア開発的な副業は別として、
生活面において本業だけで安心して
全集中できる、生産性高く、充分な報酬を
払える会社づくりをしていくことが大切です。

PS.以下、ご参考まで

▼勤務間インターバル導入事例集(厚労省)▼
https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/000428967.pdf