二宮尊徳と栗山監督から学んだ「始末」の大切さ
チームSKMの上村です。
先週、佐々木さんが二宮尊徳の話をされていましたね。
奇しくも私も最近、二宮尊徳に触れる機会がありました。
月に1回、士業仲間と読書勉強会をしています。
今、読んでいる本は「二宮翁夜話」
こちらは江戸時代の思想家・農政家である二宮尊徳の教えや言行を
弟子である福住正兄が記録・編纂した書物です。
人としてのあり方について普遍の心理と照らして示してくれる一冊
この勉強会では1人ずつ気づきや学びを要約して発表します。
1人の方の発表が心に残ったのでこちらでお伝えしたいと思います
書籍の中で二宮尊徳は「始末」することの大切さを説いています。
「始末をしっかりするかせんかで大きな違いが出てくる」
と言っています。
この話を理解するために現代のとある事例を
発表者の方がシェアしてくれました。
栗山英樹氏が示した「遠回りのようで最良の指導」
それはNHKで放送された侍ジャパンの元日本代表監督の栗山英樹
東京大学教授でAI分野のパイオニアと
言われている松尾豊氏との対談での一コマでした。
あるショートの選手がミスをした時、
栗山監督はその選手にプレーの指導をするのではなく、
「今日から、席を立つ時、椅子を整理してくれ。
靴を並べてくれ。私も一緒にするから。」
と伝えたようです。
1つ1つ確実に終わらせるという行為を身に沁みさせる
ことで自分自身を整える体験をさせたのです。
すると野球も安定してきたようです。
栗山監督はこの選手を見てこう思っていたようです。
”ボールの投げる方向を確認する、キャッチする、一塁に投げる、
この1つ1つの動作を確実に終わらせていない。
だからボールをきちんと掴む前に、次の動作を行うので、
これを改善するには、
指導するだけでも改善されるかもしれません。
しかしなぜわざわざ栗山監督はこのような
遠回りにも思えるような指導をしたのでしょうか?
それは野球だけでは身につかない
人間的成長を見ていたからではないかと思います。
野球だけではなく、相手の人間的全体成長も願っている。
結果として人間的成長は野球のプレー自身も安定させる。
そういったことをこの対談から感じました。
そして栗山氏の素晴らしい点がもう1つあります。
それは「私も一緒にするから。」という言葉と姿勢です。
上司やリーダーが率先垂範で示してくれる。
「人は言っていることではなく、やっていることがその人の正体」
と作家の久田恵さんという方が
仰っていますが、まさにその通り。
良いことを言っていても、その本人が
やっていなかったら周りはついてきません。
栗山氏はまさに言行一致の人でした。
組織における「始末」
さて、そこで二宮尊徳が説いていた
「始末」について戻ってきます。
しっかりと何事も「後始末」をすることが行動の安定につながる。
そして始末を考えると
終わりを思い描くことになります。
終わりを意識して逆算して考えることも
できるのでプロセスを描きやすくなります。
組織においても5S、環境整備という取組み
をされている組織が多くあります。
この5Sも徹底的にされている組織を
見学させていただく機会をよくいただきます。
やはりそういった組織は成果につながってきています。
それは生産性であり、社員の主体性や
モチベーションといったものにも繋がっています。
未完了タスクの心理効果
また組織、個人に関わらず、「未完了」で
止まっているものを終わらせることは効果的です。
例えば、散らかった部屋、溜まった伝票処理、
モヤモヤしている人間関係など。
こういったものが自身の頭の多くを
占拠してしまい、行動力が下がってしまいます。
こういったものをまずは書き出して1つ1つ確実に処理していく。
そして処理をしたら斜線で引いたり、
書いた紙を破って捨てたりと物理的にも「完了」した
というアプローチをすることで更に意識づける事が出来ます。
まずは3つ書き出してみて。
実際の企業から学ぶ:さんよし会のご案内
さんよし会ではこういった環境整備を
されている企業のベンチマークも行っています。
実際の現場を知ることが一番の学びになりますし、
自社もやってみたいと思うモチベーションにもなります。
またオンラインでの事例共有会や勉強会も企画してまいります。
不定期ではありますがイベント情報も発信してまいりますので
ご興味とご都合の合う回に是非ともご参加ください。
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