WBC侍ジャパンに見る目的と目標

このテーマは折に触れて書いていますし、
つい先日、ムーンショット目標の話も書いた
ばかりですが、

前号で紹介した致知のテーマが、
『最高のチームをつくる要諦』で、
私のテーマとも相通じるので、
別の切り口から、今一度触れたいと思います。


元ネタは、致知2025March号の
2023WBCヘッドコーチ 白井さんと、
JAXAはやぶさ2プロジェクト 津田PM
の対談です。ざっくり略してお伝えします。

興味ある方は是非、致知を定期購読くださいね。
(致知は書店に売っていない定期購読限定の
 リーダーのための雑誌です)

~以下、WBCのチーム作りのやりとり概要~

白井HC
 WBC40日の短期チームも、日本ハムのような
 長期チームもチームが一つになる方法は同じ。
 大事なのは何が何でもゴールに行くと皆が思えるか?
 ゴールは目標だけでなく目的も含めてゴール。
 もっといえば、目的こそ本当のゴール

津田PM
 野球の場合、目標は勝つことで、
 目的はそのプロセスで何を見せるか、
 ということですか?

白井HC
 侍ジャパンは世界一になるという
 目標を掲げた。しかし必ずそうなれるか分からない。
 もっと大事なのは、野球を通して多くの皆さんに
 感動をお届けする。これが目的。
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 結果は相手があることなので、
 自分の力だけではコントロールできない。
 自分達が意識してできることを愚直に
 やり続けていけば、目標は勝手についてくる。
 目標ばかり見るとおかしな方向にいく。
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 実は試合に出れない選手が大事。
 全員がチームのゴールに向かって、自分の立場で
 チームが勝つために何ができるか考えて献身する。


~以下、はやぶさ2のチーム作りのやりとり概要~

津田PM
 はやぶさ2のPJは基本ゆっくり時間が流れ、
 ある瞬間はものすごくクリティカル。
 世界初のミッションを9つ実現したが、
 4年かけてJAXAだけでなく
 国籍・年齢・所属の異なる約600人で。
 大半の人は目立つ仕事ではないが、やっぱり全員必要
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 業務遂行の面だけでなく、
 チームの雰囲気や精神的なサポートでも欠かせない。
 自分の頭の中だけで考えるよりも、
 チームとして思考のネットワークをつくり、
 コミュニケーションをとることで前向きになれる。


~~ 一旦、ここまで ~~


白井HCの目的と目標の関係は、
まさにその通りだと思います。

本気の目標に向かう中で、目的が達成されていく。
目的であるようなプロセスで向き合うから
結果(目標達成)がついてくる。


別の例でいえば、趣味の登山のゴールを、

「目標とする山の頂上に、
 道程を楽しみながら到達する」

とした場合、「目標」は山頂、「目的」は道程を楽しむ
になりますね。


仕事でもそうです。

目標とする売上数字や品質目標などはあったりする。
それを本気で目指す中で、人に喜ばれ、
自分を成長させていくのが目的ではないでしょうか?


こういう話を書くと、よく、
「目標いかなくても、目的達成できればよし」
という人が居ますが、

本気で目標を目指さないと
嘘っぱちとまではいいませんが、
本当に深く目的を達成できることはない
というのが最近感じていることです。

平たくいうと、目標に本気でない道程は、
薄っぺらい満足感(場合によっては
自己欺瞞や自分への言い訳もある満足感)
になってしまいがちということです。



その上で、組織して、全員が深くコミット
できて、それぞれの役割を全うできれば
一人で為しえない成果を生み出せるという
ことを、WBC侍ジャパンと、JAXA2プロジェクト
が教えてくれていると感じます。


さて、あなたの仕事におけるストレッチ目標は?
その目標と対になる、目的は何でしょうか?


まず、自分の言語化からやっていきましょう。