「叱る」のある組織は心理的安全性がない?
ほめる(ポジティブフィードバック)と同様に
必要な叱る(改善フィードバック)について
連載的にお伝えしています。
~~~叱る(改善フィードバック)シリーズここまでの内容~~
・4ほめ1叱りの法則(承認・賞賛先行)
・叱るは関心の表明
・改善フィードバックがない組織は、
キャリア不安からホワイト離職が生まれるリスクがある
・叱れない心理要因・プロスペクト理論(損失回避など)と、
対策(叱れない理由・叱るメリットなどの言語化)
~~~ ここまで ~~~
今日は「叱れない」「叱らない」理由として、
「心理的安全性に配慮して叱れない」と思っている
ケースもあると思っており、その話に触れたいと思います。
結論からいうと、
叱るべきと思っているのに、
「叱れない」「叱らない」ということは、
「心理的安全性のない組織」そのものだということです。
元祖といえる、心理的安全性を提唱した、
エドモンドソンの著書「恐れのない組織」に、
「心理的安全性に対する誤解」という項目があり、
以下のような項目が並んでいます。
・・・引用・・・
心理的安全性に対する誤解
・心理的安全性は、感じよく振る舞うこととは関係がない
・心理的安全性は、性格の問題ではない
・心理的安全性は、信頼の別名ではない
・心理的安全性は、目標達成基準を下げることではない
出典:エイミー・C・エドモンドソン; 恐れのない組織
「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす
※「・」は佐々木追加
・・・引用ここまで・・・
特に一つ目のところに以下のような
記載があります。
非常に重要だが、勘違いしている人が
非常に多いように思われますので、
もう一つ目の項目について引用します。
・・・以下引用・・・
心理的に安全な環境で仕事をすることは、
感じよくあるために、誰もがいつも相手の
意見に賛成することではない。
あなたが言いたいと思うあらゆることに対して、
明らかな称賛や無条件の支持を得られるわけでもない。
むしろ、その正反対だと言ってもいい。
心理的安全性は、率直であるということであり、
建設的に反対したり気兼ねなく考えを
交換し合ったりできるということなのだ。
これなくして学習もイノベーションもあり得ないのは、
どんな職場でも、対立は必ず起きる。
ただ、心理的安全性があれば、異なる意見を持つ人同士が、
どんなところに納得がいかないかを率直に話せるようになるのだ。
出典:エイミー・C・エドモンドソン; 恐れのない組織
「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす
※太字や改行は佐々木にて実施
・・・引用ここまで・・・
つまり、心理的安全性が気になって、
叱れないというのは、大いなる自己矛盾ということです。
叱る・叱らないと心理的安全性は
本質において関係ありません。
まず、これを理解しておくことが大切です。
その上で、心理的安全性をどうやって
つくっていくのか?というのは、
また別の機会にお伝え出来ればと思います。