ある小売店の支援で感じた「人と人を繋ぐ経営の本質」

チームSKMの池原です。

先日、あるアウトドア小売店の経営診断業務での話です。
その会社は、アウトドアグッズの店頭販売やEC販売を
行っていました。

社長の行動力でイベント企画や人脈で培った販売網を
活かし、営業を行っていました。しかしアウトドア業界は
アパレルにはワークマンやユニクロの参入、EC販売も
オリジナル商品ではないので、競合店との価格競争で
売上は年々下がる一方。

そんな中、追い打ちをかけるように、社長が急病で
倒れたのです。ピンチヒッターで経営の舵取りを
任された奥さまは、会社の借入金の
大きさや、店の経営状況を知り愕然とします。

しかし、奥さまは会社を潰すまいと懸命に
大胆なコスト削減策を実行。
長年の営業で溜まった長期在庫を叩き売り、
家賃の高い店舗から、手狭な店舗へ移転。
またリストラまで断行し、固定費の削減を
進めました。

しかし固定費を削減しても、売上が上がらない。
社長の容態も昔のようには戻らず、経営は
厳しいままです。そんな中、今後について
アドバイスするために私が派遣されたというわけです。

その店舗の近くには、登山に最適な山々があり
アウトドアの店舗としては非常に立地がいい。

また息子さんが、ある登山競技で日本代表に
選ばれるほどの実力を持っているなど
他にはない魅力を持ち合わせています。

奥さまは、大人しそうに見えますが
社長の代わりとして、優れた決断力を持っています。
奥さま曰く、ただのグッズ販売では、今後ますます厳しく
なるので、仕入のない事業へ舵を切りたいとのこと。
それは“イベント企画”をメインの事業とする
ビジネスモデル。

非常に経営センスのある奥さまだと思いました。

具体的なイベント案をヒアリングすると
大きく3つのイベントを考えておられました。

日帰りイベント、泊りイベント、従来やっているイベント。

ではそのターゲットや集客見込みはどうなのかを
聞くと、心もとない回答が返ってきました。

私もイベント企画に舵を切るのは賛成でしたが
イベント内容については、再考の余地が必要と
感じました。

イベント企画をメイン事業とするなら
・自社の強みを活かしたイベントにすること
・イベントの目的を明確にすること
・イベントを単発で終わらせない仕組みを作ること

をアドバイスしました。特にイベントを参加費目的で
行うのか、見込み客の獲得のために行うのか
イベントの目的を明確にすることが重要であると
伝えました。

私がイメージしたのは、この会社がイベントを
通じ、アウトドア好きの人たちを結びつける
コミュニティを作ること。

コミュニティの核となり、ファンを作り
グッズ販売にも繋げていく。

また現在伸びている高齢者向けの
ライトトレッキング市場に向けた企画を
打ち出していく。参加者が見込める
イベントでなければコミュニティは
大きくなりません。

この会社は大きな転機を迎えています。
これまではEC販売を軸に売上を作ってきました。
いわゆる売る側と買う側という一方的な関係性でした。
これからの時代は、モノを売るだけでは
生き残れません。

人と人を繋ぐことで新たな価値を生み出す
ビジネスモデルに進化することが求められます。

イベントをきっかけに共感と信頼を軸とした
持続的な顧客生涯価値を築いていけるかが
カギとなります。

この店舗は今がまさに第二創業のタイミングです。
この挑戦が成功するように、私も診断士として
しっかりと支援していきたいと思います。

我々も“さんよし会”で人が輝く会社づくりを
考えるコミュニティを運営しております。

ぜひ次回もご参加下さい。


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