春野町2025夏合宿でのチーミングの取り組み「日向口トーク」

前号でお伝えした「原点とこれからを語り合う時間」に続き、
今回の合宿でやって本当に良かった!
と感じたもう一つの取り組みが「日向口(ひなたぐち)トーク」です。

「日向口トーク」って何だ?と思った方は普通だと思います。
我々の造語なので(笑)。

皆様が知っている言葉で逆の意味の言葉があります。


それは「陰口」です。

陰口は分かると思います。

その人の居ないところで、悪口・非難・中傷・妬みなどを
ヒソヒソ話することですね。

回り回って、その人に届くと、
非常に髙い確率で人間関係が悪化します。



「日向口」は「陰口」の逆という意味です。


陰湿でジメジメと陰口をいうのでなく、
意図的に明るくポカポカした雰囲気で
その人の素敵なところ・尊敬できるところ・
学びたいこと・大好きなことなどを語り合います。

その人がいないという設定なので、
その対象となる人には後ろ向いてもらって、
その人がいない体で好き勝手に語り合うということをやります。

実際にやった時間は12人×各5~10分くらいでしょうか。
合計1時間半くらいかけました。


私もこの時間に、裏でコソコソ(といっても全部聞こえていますが)
言っていただいた言葉を後から聞き返しました(自分の分を録音)


いくつか抜粋すると――

「マネジメント、本当にきめ細かやかに全体を見てくださっている。」

「支える力というか、全体を引っ張ろうとする力
 は本当に見習いたいなと思っています。」

「具体的にここよかったよねって、すぐ後に言ってくれる
 っていうのはすごくいいなって。具体的で、すごく嬉しさを増す」

「佐々木さんの本当にその人にあった、
 さりげないんだけど心に響く褒め褒めがすごく大好きです。」

「佐々木さんはね、フラットだなと思ってるんですよ、いつも。
 何かに肩入れするとかあんまりなくて、
 みんなフラットに物事を見てるなっていうのと、
 明るいんで、すごく付き合いやすい」

「私はちーちゃんのノリが大好きです。
 ちーちゃんは感性と理性のバランスが素晴らしいなと思うので、
 その人に必要な時に必要なことをビシッと言ってくれる」

「佐々木さんは,とにかく俯瞰的に物事を見てくださってて、
 その視座を学びたい。悪ノリーダーだけど、そこがまた味があって楽しくなるなと」

「2つあります。めっちゃ頭がいい。そしてもう一個は、
 必ず『連絡してくれてありがとうございます』と返してくれて、
 その一言ですっごい救われる。自分もやらなきゃなって毎回思う」


ーー抜粋ここまで

正直、こそばゆいです。

実際の私は、そんな立派な人間ではありません。
でも、事実とか客観性とかは、関係なく「うれしい♪」

そして、「そんな風に見てもらえている」という事実は、
間違いなく心を温かくし、「もっとそこを伸ばそう」と思わせてくれます。


「日向口トーク」がもたらすもの

 

この取り組みは単なるお世辞の言い合いではありません。
美点と感謝にフォーカスして語り合うことには、次のような効果があります。

1.自己肯定感が高まる

普段、自分では気づかない魅力や感謝を他者から言語化してもらえることで、
「自分はここにいていいんだ」「自分らしくていいんだ」という実感が生まれます。

2.自己有用感が強まる

人の役に立てている、自分はお役立ちできる人だと思えます。
「あなたがいて助かっている」「その行動が嬉しかった」
と具体的に言われると、今後もその行動を続けたいという意欲が湧きます。

3.チーム内の感謝の循環が加速する
ポジティブな言葉は伝播します。ある人への称賛を聞いた
第三者も「自分もそういう見方をしよう」と意識するようになります。

4.心理的安全性が深まる

互いの存在を肯定し合う空気は、「多少の挑戦による失敗は大丈夫」
という安心感を育みます。それが成長する組織づくりの財産になります。

 

なぜ「本人がいない設定」なのか?

ポイントは、対象者を後ろ向きにさせ、
「その場にいない体裁」で話すことです。

これは冗談めいた演出ですが、「面と向かっては
照れくさい」こともスムーズに言えます。

さらに、聞いている本人にとっては、感謝や敬意を
“受け取るだけの時間”になります。

人は褒められると、つい「いやいや、そんなことない」
と否定してしまいがちですが、この形なら素直に受け止められます。



職場での応用

 

合宿という特別な場でなくても、「日向口トーク」の
エッセンスは日常の職場にも取り入れられます。

朝礼や月1回の定例会で:1人をピックアップし、
5分間だけ「感謝と尊敬のシャワー」を浴びてもらう。

オンラインチームでも出来ます。

もちろん、表彰式などの特別な場でもOKです。
研修に取り入れてもOKです。(実際、私は研修デザインに組み込んでいます)

 

ポイントは、「具体的なエピソードを交えること」です。

抽象的な「優しい人」ではなく、「あの日のあの行動が嬉しかった」
という形にすると、記憶にも残りやすく、再現性も高まりますね。



私たちは、業務改善や戦略立案には時間をかけますが、

人の強みや貢献を言葉にする時間には、無関心だったりします。

しかし、こうして意図的に「日向口」を交わすことで、
チームのエネルギーは確実に上がります。


春野町での「日向口トーク」は、そのことを強く教えてくれました。
日頃、研修などで行うこともあるのですが、
当事者になる機会はあまりないので、体験できてとても良かったです。

美点と感謝にフォーカスして語り合う時間は、
自己肯定感と自己有用感を高め、チーム全体を前に進める力になります。

シンプルで強力なチーミング活動「日向口トーク」
ぜひやってみてください。


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