馬鹿げた挑戦に込められた魅力とは?

チームSKM 経営コンサルタントの上村です。

大谷翔平さんが先日、47号、48号
と2打席連続ホームランを菅野投手から打ちましたね。

 

ホームラン争いも少し離されていたのですが
これでトップのシュワバー選手と1本差まで縮めてきましたね。

 

この熾烈なホームラン王争いの裏で
アメリカの真裏の日本で
もう1つの負けられない戦いが
おこなわれているのをご存知でしょうか。

 

とある大谷翔平ファンのyoutuberの男性が
「こんな凄くて大好きな大谷を嫌いになるなんて出来るのか?」
ということをふと思い浮かんでしましました。

 

そこでyoutuberとしての収入のこともふまえての算段もあったでしょうが、
「大谷翔平がホームランを打ったらその号数×kmを走る」
「大谷翔平が勝利したら、その勝利数×kmを走る」
という企画を始めました。

 

つまり1号目を打ったら1km走る。
1勝したら1km走る。

 

15号目を打ったら15km走る。
5勝したら5kmを走る。

 

こういうことです。

 

どんどん数字が増えていくと厳しくなる。
シーズン後半になると厳しくなる。

 

大谷選手は好きだが、これ以上打たれると自分の身体がもたない。
その葛藤と戦って日々観戦されていました。



ここで1つの疑問が浮かびます。
複数打った日はどうなるの?



そうです。その日は合算の距離数です。

 

つまり、先日の47号、48号は95km走ることになったのです。



先日24時間テレビがありました。
100kmマラソンをあちらの番組でもされていますが、
少し時を経て、こんなところでも約100kmマラソンがおこなわれていました。



そして2025年9月8日17時半から彼は95kmマラソンを始めました。

 

友人に自転車に乗ってもらいカメラマンを
してもらってリアル中継をされていました。
友人も複数交代しながらずっと中継をされていました。

 

ここで視聴者も1000人くらいおられました。
というのもシーズン当初から始めて既に48号。
その噂は少しずつ広がって着実にファンや視聴者が増えていたのです。
今回の95kmマラソンはとうとうyahooニュースにも取り上げられるくらいでした。

 

そしてこのyoutubeの配信ですが
Super chat(通称:スパチャ)と呼ばれる機能で
視聴者が応援の意味も込めてお金を支払える機能があります。
今回の95kmのマラソンは注目も浴びて多くの視聴者がお金を払っていました。

 

そして9月9日の9時51分、無事に彼は95kmを走り切ったのです。

しかし、その後11時10分から再びドジャースの試合があります。
もう私は大谷選手がホームランを打ったら
この彼の顔が真っ先に思い浮かんでしまいます(笑)



さて、前置きが長くなりましたが
この一見馬鹿馬鹿しい取組から学ぶことも多くあります。



1.一見おかしなことが人を惹きつける

「大谷翔平のホームラン号数 × 距離kmを走る」
聞いた瞬間「え、なんでそんなことやるの?」
と笑ってしまうような発想。

 

でも、その“突き抜け”こそが、
人の目を引き、心に残ります。

 

大谷翔平のホームラン号数×距離kmを走って
その姿を応援してもらうことによって収入を得る。

 

最高のニッチ産業ではないでしょうか?




2.続けることで物語に変わる

単発ならただのネタ。
けれど「続ける」とストーリーが生まれます。

 

「まだ続けているのか」「今日は何km?」と
人々が経過を追いたくなり、応援したくなる。

 

人は“頑張っている過程”に共感し、そこに自分の物語を重ねます。

以前、ナラティブマーケティングというテーマで
話をさせていただいたことがあります。

 

ナラティブとは物語。

 

「自分も彼のようにチャレンジしてみようか」
「馬鹿な事と思っていても始めてみようか」
といったように他者の物語に自分の物語が動かされます。

 

物語に巻き込むことで多くの人を惹きつけることができます。




3.偉大な存在との接続で共感を広げる

彼は「大谷翔平」という誰もが知る文脈に自分の挑戦をつなぎました。
これによって、世間にリーチされる可能性がかなりあがりました。

今回もyahooニュースに取り上げられたのは
ただのランニング企画ではなく
大谷選手のホームランと絡めてたということで
このように世間に見つかる形となり
マーケティング戦略としても
偶然かもしれませんが秀逸な部分がありました。




4.誠実さと本気が信頼を生む

「やります」と言うだけなら簡単です。
そして場合によっては途中で辞めることも可能です。

 

そして「走ってきましたよ!」と
報告するだけでも良いかもしれませんが
彼は実際に走り続け、その姿をライブ中継で発信しています。
だからこそ人は信じ、応援するのです。

 

もちろん、このSNS社会では
証拠もなく「走ってきました」
とだけ報告すると炎上することは間違いないので
この選択肢以外ないかもしれませんが
誠実さと本気が伝わるとき
応援も「冷やかし」や「興味本位」から「共感」へと変わります。



まとめ:組織や個人に活かせるヒント

・小さな「おかしな挑戦」でもいい。続けると人は応援してくれる。

・突き抜けた企画 × 継続 × 本気は、ブランドやリーダーシップを形づくる力になる。

・社会的に知られた物語と接続すると、共感は一気に広がる。



よく仕事においても”遊び”は大事だという言葉も聞きます。

 

建築業界の用語でも、部材と部材の接合部に
あえてゆとりを持たせることも”遊び”と呼びます。

 

このように仕事においても”遊び”は重要な要素です。

 

彼の取り組みは、私たちに「真面目さ」や「合理性」だけではなく
“遊び心を持った挑戦を続ける力”の大切さを教えてくれるなと感じました。



さてこの記事を書いているのは9月9日の11時前です。
この記事が公開される頃に大谷選手はまたホームランを打っているのでしょうか?

そして岩田さんの運命やいかに…!?




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