若者から選ばれない会社は、生き残れない ── 大学講義で明らかになった「いい会社」の条件
チームSKM 中川です。
今日は、ゆるーくやっていきます。
よろしくお願いします。
先月、2か月にわたる大学での非常勤講師の仕事を終えました。
学生さんと過ごした6日間は、
私にとって経営の本質を再確認することになりました。
担当したのは、大阪経済大学情報社会学部の「経営戦略演習」。
1社目は“理念”を軸に経営資源を育てる会社、
2社目は“リスク対応”を軸に危機を乗り越える会社を紹介し、
学生たちに「いい会社とは何か?」
2回シリーズでお届けします。
■1日目:若者の心に“ぬくもりの波紋”が届く
1社目の事例企業は、
理念経営の象徴ともいえる存在です。
1日目。
私は、現地で撮影した写真をふんだんに使いながら、
“ぬくもり経営”の世界観を紹介しました。
そして、感動物語コンテストの動画を上映。
最後は名前入りのはちみつを味わうという、
・動画に涙する学生
・はちみつの美味しさに目を丸くする学生
・「こんな授業初めて受けました…」とつぶやく学生
私は確信しました。
「ぬくもりを表現した経営理念は、
それは、企業の“強烈な競争力”になる。」
■2日目:学生は“自分の価値観”で会社を選ぶようになった
2日目は、学生自身が「私にとってのいい会社」を発表する日。
彼らは理念、ミッション、文化、働き方を徹底的に調べ上げ、
その魅力を“社長になりきって”教壇で語りました。
「自社はこんな理念で、こんな未来を描いています」
「私が大切にしたい価値観と、この会社は○○
自分で考えた内容を語るその姿は、
私たち大人にこう問いかけているように感じました。
「大人(親)の価値観を押し付けていませんか?」
「過去とは時代が大きく変わっていますよ?」
「あなたの会社は、価値観を伝えていますか?」
学生が選んだ“いい会社”は、
理念に親和性を感じ、
積極的に社会とつながりを持とうとする点に魅力を感じ、
働きやすさを大切にしている企業が選ばれていました。
彼らは、
「給料」より「理念への共感」
「安定」より「その組織での自分らしさの発揮」
を大切にしているように感じました。
■3日目:“当事者意識”が人を変える瞬間に立ち会った
3日目は、少し本格的なワークです。
チームに分かれ、長坂養蜂場さまの
「ぶんぶんビレッジ」プロジェクトに対して
10分間のプレゼン提案を作成してもらいました。
さらに、私から学生に一つ“仕掛け”を入れました。
「この提案が採用されたら、
あなたたちに1000万円のコンサル契約が入ると想定してくださ
すると、お~っ!と声が上がります。
言葉に伝えようという力が宿り、説明の言葉にも熱が入りますね。
この様に、当事者意識は、人の能力を一気に高揚させます。
これは学生だけでなく、
私たち社会人にもそのまま当てはまる真理だと改めて感じました。
■3日間を通じて浮かび上がった “いい会社の条件”
学生たちの学びを集約すると、
彼らが選ぶ“いい会社”の条件は明確でした。
・ 理念に“温度感”がある会社
言葉だけでなく、日々の行動から理念が伝わる。
・ 働く人の“幸せ”を本気で考えている会社
福利厚生ではなく、文化・関係性・
・社会に“貢献する姿勢”が真っ直ぐな会社
地域・自然・人とのつながりを大切にしている。
・ 社員が“自分らしく働ける”会社
価値観の合う人が、のびのび力を出せる雰囲気がある。
・ 若い世代が“働く未来を描ける”会社
ワクワクするビジョン、挑戦できる環境がそこにある。
つまり、
若者が選ぶ「いい会社」とは、
会社の雰囲気が良く、社員が辞めない会社で、
そして、長く愛され続ける会社であると言えるでしょう。
■経営者・リーダーへの問い
学生たちとの最初の3日間の学びは、
一つの鋭い問いとして私たちに返って来ることを感じました。
「あなたの会社は、若い世代から選ばれる会社ですか?」
これに対し、堂々とYES!と言える企業だけが、
これからの人口減少時代で生き残る企業だと確信しました。
■では、どうすれば“選ばれる会社”になれるのか?
最後に、経営者・リーダーの皆さまに
今すぐできる3つのアクションを提案します。
1. 理念を“見せる”のではなく、“感じさせる”仕組みをつくる
学生の反応を見て、理念は体験でしか伝わらないと確信しました。
そこで、
・理念を体現した現場ストーリーの共有
・小さな感動体験の可視化
・理念に紐づく行動の賞賛
と言った仕組みを作っていきましょう。
2. 若い世代の“価値観ベースの採用”を進める
スキルチェックの前に、
これだけで、採用後のミスマッチは大幅に減ります。
極論すれば、スキルは後から何とかなります。
反対に価値観は、
なかなか難しい。
そのために、
・自社の等身大の姿で価値観を見てもらいましょう。
・ご縁を感じてもらう働く場を見てもらいましょう。
・ここなら安心だ、自分の映し鏡だ、
自分の居場所だと感じてもらいましょう。
そんな採用活動を進めていきましょう。
3.社員に“当事者意識”を持たせる仕掛けをつくる
リーダーや主任といった肩書きよりも、
新人教育担当といった役割よりも、
「その場を任されている」という感覚が人を育てる。
学生の変化がそれを証明しています。
それには、
・任せて
・見守り
・やり抜かせる
そんな仕掛けづくりをしていきましょう。
■最後に
3日間の講義を通して、私は強く感じました。
「いい会社」づくりとは、
社員が誇りを持ち、
若者に選ばれ、
未来へと続けられる力を持つ会社づくりです。
そしてそれは、
理念と人が融合した場づくりという“人間的な経営”
経営者のなすべきことは、
この場づくりにかかっていると言っても過言ではありません。
これからも、
企業が未来の働き手から選ばれ、
働く大人たちが誇りをもって働ける世の中になるよう、
私もチームSKMも全力で伴走していきたいと思います。
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