「会社」とは“出会い”の場である ─「会社会(かいしゃかい)」という考え方

チームSKM 中川です。


今日はしっかりやってまいります。

よろしくお願いします。



皆さんには、学生を前に何かの話をするといった体験はございますか?


初めての体験は大学4年で就職が決まった時。
母校の講堂で300人ほどを前に自分の就活体験を話すという体験をしました。


二度目はサラリーマンをしていた時。
神戸学院大学で客員教授なる肩書をいただき、
心理学を学ぶ学生さんを前にキャリア構築について講義しました。

三度目は独立後、駆け出しの研修講師だった時。
日本語学校で日本企業に就職したい
外国人学生に向けたキャリア授業をしました。


そして、現在。
現在、大阪経済大学で非常勤講師の役割をいただき、
経営戦略演習という授業の枠をいただいて、
理論と実践を繋ぐ授業をしております。


具体的には、私の大好きな長坂養蜂場をはじめとする
実際にお付き合いのある「いい会社」の経験をお伝えしながら、
学生と一緒に「わたしにとってのいい会社とは何か?」
を探求していきます。


授業をしていく中で、あることに気づきました。


それは、彼らは“いい会社に入りたい”と願いながらも、
そもそも「わたしにとってのいい会社」
という考え方がない…ということです。


いい会社といえば…
コマーシャルでよく見る会社
親がいいと言っているといった会社
給料や休みが多いといった安定した会社のイメージ


そして、「いい会社」に“出会う力”を磨く
という発想がないということです。


私のこれまでの経験から言えることは、
いい会社に巡り合えるかどうかは、
偶然ではなく「自分次第」だと感じています。

偶然のように見えて、それは自分がどこかで蒔いてきたタネが、
必要なタイミングで芽を出したに過ぎないということです。


学生さんにお伝えしたいのは、
就職活動とは、単なる採用の合否ではなく、
自分と会社の“出会い”の物語を作っていくか、ということです。


ここに私の役割があるのではないかと感じました。

 

■ 「会社」という言葉の原点を辿る

そもそも「会社」という言葉は、いつ、どのように生まれたのでしょうか。


語源をたどると、江戸末期から明治初期にかけて、
西洋の「カンパニー(company)」の訳語として生まれたとされています。

「カンパニー」は、ラテン語の companio(=パンを共にする仲間)に由来します。


本来の「会社」とは、
“同じ志を持ち、共に生き、共に働く仲間の集まり”
という意味なのです。

 

一方、「会社」という漢字そのものにも深い意味があります。


「会」は、人と人が“集う”こと。

「社」は、“神を祀る場所”や“共同体”を意味します。


この二つの漢字を合わせると──

「会社」とは、志を同じくする人々が集い、共に社会に仕える場。

 

これが、本来の「会社」という言葉の魂なのです。


■ 「会う力」が人生を決める

私が大学の授業で学生たちに伝えているのは、

「会社選びは、相手を選ぶ前に“自分を整える”ことから始まる」

ということです。

 

“いい会社”に出会いたいなら、まず“いい自分”であること。

そのためには、自分が何を大切にして生きたいのか、
どんな仲間と働きたいのかを言語化しなければなりません。

 

社会人になっても同じです。

いい上司、いい部下、いい顧客に出会うためには、
自分のあり方を磨き続ける必要があります。

まさに、人生とは「出会いの連続」であり、
その質は“会う力”に比例するのです。



■ 「会社会(かいしゃかい)」という考え方


この考えを形にするために、私は新しい言葉をつくりました。

それが、 「会社会(かいしゃかい)」 です。

 

自分が会いたい会社に“会える社会”をつくる。


「会社会」とは、
「山本山」みたいに上から読んでも下から読んでも同じ様に
どちらが上でも下でもなく、循環するイメージです。

 

「会社を選ぶ」時代から、
「会社と出会う」時代へ。


採用の場であっても、
働く現場であっても、
そこには“人と人との出会い”があります。


その出会いを大切にできる人こそ、
いい会社と出会い、いい人生を送ることができるのです。



■ 経営者にとっての「会社会」

経営者やリーダーにとっても、「会社会」の視点は極めて重要です。

 

社員やお客様、取引先、地域…

すべての関係は、「出会い」から始まります。

その出会いをどう育むかが、組織の未来を決めるのです。

 

“理念”とは、“出会いの出発点”であり、
“採用”とは、“出会いの中継点”です。


人材不足と言われて久しいですが、
発展・成長している企業は決してそうではありません。

いい人材がいない、と嘆く前に、
わが社は、
学生にとって、
社員にとって、
顧客にとって、
社会にとって、
「いい会社」なのでしょうか。

会うことを通じて社会に貢献し、
社会の中でまた新しい出会いが生まれていく。

その循環が、「会社会」の本質です。


そして、経営とは、出会いをつなぎ、活かし、循環させる
人間ならではの営みだといえるでしょう。



■ さいごに──自分が「会いたい会社」に会える自分へ

 

私自身、これまで多くの経営者やリーダーに出会ってきました。

そのたびに思うのは、いい会社とは「仕組み」ではなく、
「人と人との関係性」でできているということ。

信頼・尊敬・共感・感謝の上に、働く喜びが溢れています。

 

学生たちが“いい会社”に出会えるように、

経営者が“いい人”に出会えるように、

そして私自身が、そんな出会いを支えられる存在でありたい。

 

「会社会(かいしゃかい)」──

自分が会いたい会社に出会えるような、
そんな社会づくりを一緒懸命に。

それが、
私にとって、働く人すべてにとって、
“幸せな人生経営”の第一歩なのだと思います。


さんよし会では、「いい会社づくり」を探究しています。
そんな、「会社会」づくりを皆さんとご一緒に!


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