二デック永守氏が取締役辞任後も遺していくものは?
チームSKM 佐々木千博です。
今日12月19日、ニデック創業者の永守重信氏が、
取締役を辞任し、非常勤の名誉会長に就く
というニュースが流れました。
今回、取締役としての議決権も、
法的な経営責任も手放すことになります。
少なくとも形式上は、経営の最前線から
一歩退くということになります。
不適切会計問題を受けたガバナンス再構築の一環。
報道ではそう整理されていますが、
私は不適切会計について話したいのではありません。
平成・令和を代表する希代の経営者のお一人である
永守さんが経営の一線から外れるこのタイミングに
公式な権限や役職には現れないトップの仕事という
ことを考えてみたいのです。
世の中には、役職や権限がなくなった瞬間に、
すべてが消えてしまう経営者と、第一線、役職を外れても、
なお組織に影響を与え続ける経営者がいます。
(院政を敷くという意味ではありません)
その違いはどこにあるのか、という問いを
永守さんから考えてみたいのです。
永守さんが長年、繰り返し語り、
言い続けてきたものがあります。
「情熱・熱意・執念」
「すぐやる・必ずやる・出来るまでやる」
「できない理由を探すな、できる方法を考えろ」
「知的ハードワーキング」(頭を使いながら人の倍はたらく)
これらは、取締役の議決権があるから通った
浸透している言葉ではありません。
肩書きがあるから従わせられた行動でもありません。
耳にタコができ、そのタコにまたタコができるまで言い続け、
現場で、数字で、行動で示され続けたからこそ、文化として
残っていっているものだと思います。
非常勤の名誉会長になった永守さんは、
これからは経営の意思決定はしません。
経営哲学や仕事への姿勢、危機に向き合う構えは、
すでに人と組織の中に刷り込まれているのでは
ないかなと思うのです。
さて、私達のほとんどは、永守さんのような
圧倒的な結果や実績はないかもしれません。
創業者でもないかもしれません。
しかし小さな係の長でも、長は長です。
役職がなくても、リーダーたり得ることは出来ます。
もし明日、私たちが役職を失ったら。
もし明日、私達が退職したら、
それでも残るものは、何でしょうか。
「この人と仕事をすると、ワクワクする」
「この人が言うと、本気でやり切ろうと思ってしまう」
「あの人の背中を見て、働き方が変わった」
そうした影響力は、制度では管理できません。
評価制度にも、組織図にも載りません。
けれど確実に、人から人へと受け渡されていくものですよね。
目先の仕事をこなすだけでなく、
こういった問いに向き合うことも大切なのではないか?
向き合って、日々やっていくことがリーダーとして
大切なことではないでしょうか?
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