世間にはびこる形だけの“1on1ミーティング”
チームSKMの池原です。
2025年6月3日の日経ニュースに、多くの企業で導入している
1on1ミーティングの導入状況とその効果についての
記事がありました。
パーソル総合研究所が2025年2月末にまとめた調査によると
部下の1on1経験率は6割弱に達している一方で、上司・
約3割が「面談の効果が感じられない」と回答しているそうです。
さらに導入したが効果が実感できないので、既に取り組み自体を
止めてしまっている企業も一定数あるとありました。
企業では、1on1ミーティングを“部下の成長支援を目的とする
一対一の定期面談”と位置づけていますが、そのやり方や目的を
理解せずに実施している企業がほとんどなのだろうと推察されます
私が以前いた会社でもそのような面談がありました。
私の上司は、そもそも腹を割って話せる人ではなく、
傾聴の姿勢もなく、ただただ会社の決めた資格や制度を説明して
半ば脅しのように実施を迫るだけの面談でした。
ここまで酷い会社はそうないと思いますが
似たように「やらされ感」を伴う“対話ごっこ”化して
いる会社も多いのでしょう。
では1on1ミーティングとはどのように行われるのが
良いのでしょうか。ここで簡単に解説したいと思います。
1.明確な目的意識の共有
なぜ1on1を行うのか、その目的を組織全体で共有する。
2.経営トップの本気度を上司から伝える
経営層が人財育成への強い意思を示し、
そのような組織風土を醸成する。
3.上司と部下の信頼関係の構築
上司と部下の間に心理的安全性を築き、
4.学習する文化の醸成
従業員が自律的に学び、成長することを奨励する文化を育む。
こういった制度設計を行ったうえで、上司である管理者に
コーチングの基礎研修や、傾聴の重要性などを教育する場を
整備することも重要です。
1on1ミーティングは、
ワークが普及したことで多くの会社が取り組みを進めたという背景
あり、その背景には「部下の育成に悩んでいた管理職や企業」の
切実なニーズがあったはずです。
しかし、上記のような「やり方」だけが先行し、「あり方」が
置き去りにされたような形で、意味のない場になってしまっている
現状は非常に残念に感じます。
形だけの「1on1」を漫然と続けるのではなく、
その本質的な目的と経営者の人財に対する「想い」を伝え、
全社で一丸となって取り組むことが、
真に効果的な1on1ミーティングを実現に繋がります。
1on1ミーティングに限った話ではなく、本当に心が通った
会社の制度づくりを目指していきたいものですね。
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